Online よろず相談所

アラ50の医師が ゆるい説明しています

2026-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ショック=低血圧ではない

手術中 血圧が下がった 80/40 焦る ショックか? このまま崩れるか? 血圧が下がると 不安になる しかし 血圧が低い=ショック ではない ショックとは何か ショックとは 組織に血流が届いていない状態 問題は 血圧ではない “流れ” なぜ血圧ではないのか 血…

心電図モニターで大事なことは“変化に気づくこと”である

手術中 心電図モニターが鳴った 波形が乱れている 何が起きたのか 心電図は難しい そう感じている人は多い P波QRSST 覚えることが多い しかし 手術中に必要なのは 細かい診断ではない 異常に気づくこと それだけです 心電図モニターとは何か 心臓の電気活動…

昇圧薬は“目的で使い分ける”

手術中血圧が下がった どうする 補液か昇圧薬か 打つなら何を使うか とりあえず昇圧薬 よくある対応です 間違いではない しかし それで悪化することがある なぜか 昇圧薬は 「血圧を上げる薬」ではないからです たまたま 血圧という数字が上がっているだけ …

動脈ラインは“波形で読む”モニターである

手術中血圧は100/50 数字だけ見れば悪くない しかし 波形がおかしい 何が起きているのか 血圧モニターには2種類ある カフで測る血圧そして 動脈ライン(Aライン) カフは“点”の情報 Aラインは “流れ”を連続で見るモニター 麻酔科医は 数字より波形を見る 動…

血圧は“数字”ではなく“流れ”で見る

手術中血圧が80/40に低下した モニターのアラームが鳴る さあどうする 昇圧剤か補液か 多くの場合 「血圧が低い」 という数字だけを見てしまう しかし 血圧は原因ではない 結果です 血圧とは何か 血圧は 心拍出量 × 末梢血管抵抗 で決まる 心臓がどれだけ血…

EtCO₂が上がるとき ― 麻酔科医は何を考えるか

手術中カプノメーターの数字が上がった。 40 → 55 何が起きているのか。 多くの人はこう考える。 「換気が足りない」 確かにそれは正しい。分時換気量を増やせば、EtCO₂は下がる。 しかし―― 原因を考えないまま補正するのは危険である。 EtCO₂上昇にはいくつ…

麻酔中EtCO₂が突然下がる時 麻酔科医が最初に疑うこと

麻酔科医がよく見ているモニターに**EtCO₂(呼気終末CO₂)**があります。 カプノメーター、あるいはカプノグラムとも呼ばれます。 挿管チューブの接続部付近から呼吸ガスをサンプリングして測定しています。 O₂と比較すると、CO₂は血液と気体の間を非常に移…

カプノグラムの波形は何を教えてくれるのか

麻酔モニターには必ずカプノメーターの波形が表示されています。 たいていモニターの下の方でしょうか。四角い箱型の波形が並びます。 波形があれば呼吸している。なければ呼吸が止まっている。 しかしこの波形はそれだけではありません。 麻酔科医は数字よ…

CO₂はなぜこんなに大事なのか

呼吸といえば多くの人が「酸素を取り込むこと」だと思っています。 間違いではありません。実際、呼吸に関するモニターといえばSpO₂で、これが正常値なら呼吸は大丈夫だと安心する人がほとんどでしょう。 しかしそれだけでは不十分です。 呼吸とは酸素を取り…

SpO₂は信用しすぎてはいけない

手術室や集中治療室では、患者には様々なモニターが装着されています。 その中でも、最もよく目にする数字の一つが**SpO₂(酸素飽和度)**です。 正常ならだいたい100%。高齢者でも96%前後あれば十分です。 数字が下がるとモニターが鳴り、医療者は一瞬緊張…

どこで測定した血圧が正解?

血圧を測るといえば、普通は上腕にマンシェットを巻いて測定します。電気屋さんにいくと血圧計が普通に売っていて、中には手首用の血圧計もあります。 ではここで問題です。 どこで測定した血圧が正解なのでしょうか? 右腕でしょうか。左腕でしょうか。それ…

モニターの数字は嘘をつく

手術室やICUでは、患者の状態を示すたくさんの数字がモニターに表示されています。 SpO₂血圧心拍数EtCO₂BIS 私たちは日常的にこれらの数字を見ながら患者を管理しています。 しかし臨床をしていると、あることに気づきます。 モニターの数字は、時々平気で嘘…

許容するという考え方

学生のころから、私たちは常に「正解」を探す訓練を受けてきました。 そのため医療現場で異常値を見つけると、「原因は何だろう」「すぐ治さなくては」と考えます。 もちろん、すぐに手を打つべきケースもあります。 しかし実際の臨床では、**あえて治療しな…

点ではなく線で見る

モニタリングで最も大事なことは何でしょうか。 それは 「トレンドを見ること」 です。 前回、正常値は絶対ではないという話をしました。では実際の臨床では何を見て判断するのでしょうか。 答えは 変化の流れです。 例えば血圧です。 患者A血圧 110/70 患者…

正常値に騙されない

さてここで問題です。 Hb(ヘモグロビン)14の健康な私が、病院の前で車に跳ねられ大量出血しました。虫の息の状態でそのまま救命センターに運ばれ、治療に先立って血液検査をしました。 その時のHbの値はいくつでしょう? Hb 8くらい? 正解は 14のままです…

集中治療モニタリング

モニタリング monitoringとは状態や変化を継続的に見守ることをいいます。 観察ですね。データをその都度評価もしますが、本質は数時間・数日単位での変化を追うことです。 医療でモニタリングといえば 心電図や血圧、酸素飽和度と体温は必須項目。 これにAラ…