Online よろず相談所

アラ50の医師が ゆるい説明しています

不整脈と言われたら

医者に不整脈っていわれた人いませんか?
そして不整脈って言われたけど、医者はなんにもしてくれなくって
なんか不安になっちゃってる人いませんか?
そもそも不整脈ってなんだと思います?


心臓は全身に血液を回すポンプです。
筋肉でできた袋のようになっています。
筋肉が収縮して袋が握りつぶされる感じで血液が動脈へ送り出されて行きます。
筋肉が収縮するタイミングは電気でコントロールしています。
筋肉に電気が伝わると筋肉袋である心臓が収縮して中の血液が送り出されるのです。


心臓の中にある電気回路を刺激伝導系と言います。刺激伝導系は上から下へと順番に伝わるようにできてます。


会社というものは一般に
社長が命令すると、
まず運営部の人がささっと仕事して、
下働きな人たちに本命な仕事が回ってくる
モノじゃないですか?


心臓も同様に
洞結節が命令して
上室(心房)が仕事して
心室が最後に力仕事する
そういうトップダウンな構造になってます。


そして、この
洞結節→心房→心室
のように電気が伝わって行く状態を
洞(社長)のリズム(調律)で動いているから洞調律とか、整脈とか呼ばれます。


トップダウンな刺激伝導でないものを、整脈じゃない=不整脈といいます。

 


なので不整脈はピンキリです。
社長が頑張りすぎてオーバーワークなのが頻脈
逆に遅すぎるて仕事不十分なのが徐脈
上から下までの連絡が途中で途絶えているのがブロック
心房が、心室がついてこれないほどの速さで仕事しているのが心房粗動
心房が、勝手に動きすぎて役に立ってないばかりか、トラブルのモトを作り出しうるのが心房細動
トップダウンの1ルートしかないはずなのに、フライングで下の部屋へ情報漏れているwpw症候群
心室で命令関係なく勝手に仕事する期外収縮
心室でもはや一丸となっては働けずカオスになってる心室細動


心臓って会社と一緒ですね。大事なのは下働きな人たちですよ。社長も上室も働いてなくても生きていられるんですから。

 


心臓の電気的トラブルを全て不整脈と呼ぶので、ほっといていいものから、やばいのまで色々です。ほっといていいものが歳を取ったら悪いものに変わるというものではありません。

 


ほっといていいものは本当にほっといていいです。心臓なんて所詮血液を回せてればいいんです。
よろしくないのは心房細動、心房粗動、心室細動などですが、医者がこれをみてほっとくはずはありません。喜んで治療しにきます。


なので医者に不整脈と言われたけどほっとかれたら、ほっといていい不整脈だ、ラッキー
くらいに考えた方がいいですよ。