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「四毒抜きのすすめ」小麦は体に悪い?

「四毒抜きのすすめ」小麦は体に悪い?

四毒抜きのすすめ 小麦・植物油・乳製品・甘いものが体を壊すを読み、今回は「四毒」の一つ、小麦に焦点を当てます。パンやパスタは日常に欠かせないけれど、著者の吉野敏明氏は、小麦に含まれるグルテンが健康を害すると警告します。果たして、小麦は本当に「毒」なのでしょうか?

小麦とグルテンの健康リスク

小麦に含まれるグルテンは、粘り気のあるタンパク質で、パンや麺類の食感を作り出します。しかし、グルテンは一部の人に健康問題を引き起こします。代表的なのがグルテン不耐症(日本人の約0.1%)やセリアック病(欧米で約1%)。これらは腸内炎症や腹痛、下痢を引き起こし、栄養吸収を妨げます。2020年の研究では、グルテン摂取が腸のバリア機能を弱め、炎症性腸疾患のリスクを高める可能性が示されました。

日本人の場合、パンやパスタを食べると「なんとなくお腹が重い」と感じる人も少なくありません。これは、グルテンが腸内で炎症を起こすためだと本書は指摘。欧米でも、グルテンフリー食品が健康志向の人々に人気で、市場規模は2023年に約70億ドルに達しています。

日本人の小麦耐性の低さ

日本人の伝統的な食文化は、米、大豆、魚介類が中心。小麦は戦後、食文化の西洋化とともに広まりました。戦前の日本では、うどんやそばも少量の小麦で作られ、日常的に大量摂取することはまれでした。吉野氏は、日本人の体が小麦に適応しきれていないと主張します。実際、米を主食とするアジア圏では、グルテン関連の不調が欧米より多く報告される傾向があります。

小麦が「見過ごされる」背景

小麦は「主食」として世界中で親しまれ、食文化に深く根付いています。しかし、戦後の小麦輸入拡大や食品産業の影響で、そのリスクが十分に議論されてこなかったように感じます。米国からの小麦輸入は1940年代以降急増し、加工食品やファストフードの普及を後押し。企業のマーケティングが、小麦製品を「健康的」と印象づけてきた側面もあるようです。

グルテンフリー生活の始め方

小麦を控える生活は、試す価値があります。代替食材として、以下がおすすめ: - 米粉:パン、ケーキ、クッキーに活用。ふわっとした食感が魅力。 - そば粉:蕎麦やガレットで、グルテンフリーの食事を楽しむ。 - 豆類:大豆粉を使った和菓子やスナックで、栄養も補給。

簡単な米粉パンケーキのレシピ: 1. 米粉100g、豆乳150ml、卵1個、はちみつ小さじ2を混ぜる。 2. フライパンで弱火で両面焼き、5分で完成!

スーパーやオンラインで「グルテンフリー」と書かれた米粉は入手しやすく、試しやすいですよ。

感想と次回予告

小麦を食べるたびに不調を感じていたので、本書は食生活を見直すきっかけになりました。グルテン不耐症やセリアック病の人には小麦を控えるのが重要ですが、個人的には、みんながそこまで厳しく小麦を断つ必要はないんじゃないかなとも思います。たとえば、小麦を食べて特に問題ない人や、グルテン不耐症でも「腹痛くらいならパスタやパンが食べたい!」って人は、無理に我慢せず今まで通り楽しんでもいい気がします。体調が悪くなったら、ちょっと小麦をお休みしてみるくらいのゆるいスタンスで、自分の体と相談しながら食べるのが一番じゃないでしょうか。食べる楽しみも大事ですしね!

次回は「四毒シリーズ」の2つ目、植物油編! トランス脂肪酸のリスクや代替油を紹介します。お楽しみに!

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