循環動態とは「体の中で血液がどれだけ効率よく回り、細胞に酸素を届けられているかの状態」のことです。
循環とはなにか?
循環とはぐるぐる回ることです。東京山手線のように起点も終点もなく永遠にぐるぐる巡っているのが循環です。生体で循環といえば、肺で酸素を蓄えた血液が動脈にのって全身に送り出され、全身の細胞に酸素と栄養を届け、静脈にあつまり右の心臓に戻り、肺へ流れ酸素化され左の心臓へ送られ、また動脈にのって全身へ送り出される。この終わりのないサイクルを循環といいます。循環の目的は全身のすみずみの細胞に酸素を提供し、老廃物である二酸化炭素などを回収することです。
人の体にはどれくらいの血液があるのか
循環血液量はおよそ体重の1/13。52kgの人で4リットル。65キロの人手5リットルの血液が循環している血液です。この血液がぐるぐる体内を循環しています。
成人で心臓が一度収縮すると70mlの血液が送り出されるとされており、脈は一分間に60-80回打ちます。血液は1分間に70x60 ~ 70x80 = 4200-5600mlの速さで循環しています。循環血液が1分で一周しているイメージです。心拍出量といいます。
循環動態が安定しているとはどういう状態か
全身の細胞が適正に酸素を受け取れる状態が安定した循環動態であると言えるでしょう。水分がたりず循環血液量が不足しているときは、“喉がかわいた”という刺激を脳に送り水分を摂取させます。水分がすぐに手に入らないときは手持ちの血液でなんとかします。血液が足りていないので、脈を早くすることで全身の組織に必要な量を確保しようとします。全速力で走った後に心臓がバクバクいってることは皆さん経験したことあると思いますが、これは全身の筋肉細胞が運動したことにより、より多くの酸素を求めており、それに答えるように脈拍を上げ循環血液量を増やしていると言えます。
逆に水分が足りている、過剰にある場合は利尿することで循環血液量を減らします。
バイタルサインと血行動態
バイタル測定と言われたら血圧と脈拍、酸素飽和度、体温測定をイメージするでしょう。血圧とは心拍出量と血管抵抗のバランスで決まるものです。
定義としては
血圧 = 心拍出量 x 末梢血管抵抗
と表せられます。
塩分をどれだけ摂取しているか、動脈効果がどれだけ進んでいるかなどの因子で人それぞれです。血圧が下がる→死を連想するので一番気になる数値かもしれません。上の血圧・下の血圧いわれてます。上の血圧を収縮期血圧と呼び、下の血圧を拡張期血圧といいます。動脈全体を一つの風船とみたときに、その張力が拡張期血圧と呼べるでしょう。そこに心収縮のブーストが加えられた圧が収縮期血圧だといえます。平均血圧が60mmHgあるのがよい血圧と言われます。これは動脈→毛細血管→細胞→毛細血管→静脈に流れるために最低限必要な圧といわれているからです。血圧が高すぎる時、これはもともと血圧が高いことを放置しいてたか、痛みなどのストレスがあるからかと言えるでしょう。平均血圧が極端に低い場合は、麻酔などの鎮静が強すぎるからか、心臓の障害で心機能がおちているからか、敗血症などで末梢血管抵抗が下がってしまっているか、出血や脱水などで循環血液量が落ちているからと考えられます。
脈拍の理想値は60-80回/分といわれます。脈拍が遅すぎて40以下だったりすると、脳への循環血液量が減りめまいが起きやすいと言われます。マラソンなどの持久力を要するスポーツ経験者だと徐脈でも症状ないこともよくあります。脈は120以上だと頻脈と呼ばれます。頻脈がそく悪いものということは無いですが、なんで頻脈になっているのかを考えてその対処を取るべきでしょう。
循環動態は「血圧」だけで決まるものではありません。
次回は、循環動態を理解する上で重要な「前負荷」について解説します。