Online よろず相談所

アラ50の医師が ゆるい説明しています

血圧は“数字”ではなく“流れ”で見る

手術中
血圧が80/40に低下した

モニターのアラームが鳴る

さあどうする

昇圧剤か
補液か


多くの場合

「血圧が低い」

という数字だけを見てしまう

しかし

血圧は原因ではない

結果です


血圧とは何か

血圧は

心拍出量 × 末梢血管抵抗

で決まる


心臓がどれだけ血液を送り出し
血管がどれだけ締まっているか

その掛け算です


つまり

血圧が下がるとは

・血液が流れていない
・血管が広がりすぎている

そのどちらか


低血圧の原因

原因は大きく2つ

・心拍出量の低下
・血管拡張


心拍出量は

前負荷
収縮力
心拍数

で決まる


つまり

低血圧を見たときは

前負荷
収縮力
心拍数
血管抵抗

どこが崩れたかを考える


思考の順番

血圧が低下したとき

まず何を見るか


① 本当に低いのか

測定ミスは多い

Aラインのトラブル
トランスデューサーのズレ

まず触る

頸動脈が触れれば
致命的ではないことが多い


② 脈を見る

速いか
遅いか

速い → 出血・ボリューム不足
遅い → 心抑制・迷走神経反射


③ 出血を疑う

術野
ドレーン

意外と見落とす


④ 麻酔の影響

導入直後はよくある

血管拡張
心抑制


⑤ それでも分からなければ

心臓を見る

収縮
不整脈


この順番で考えると
迷わない


よくある落とし穴

血圧が低い

→ とりあえず昇圧剤


これは危ない


ボリューム不足に血管収縮剤

→ さらに流れが悪くなる


心不全に後負荷をかける

→ 心臓が止まりかける


原因を無視すると
悪化させる


何を使うかは原因で決まる

ボリューム不足
→ 補液

血管拡張
→ 血管収縮薬

心機能低下
→ 強心薬


治療はシンプル

原因に合わせるだけ


数字だけでは分からない

血圧は

80でも許容されることもある
100でも足りないこともある


大事なのは

臓器に血流が届いているか


尿量
意識
皮膚

それで判断する


まとめ

血圧は

ただの数字ではない


心臓
血管
血液

その“流れ”の結果


血圧が下がったとき

やるべきことは

数字を上げることではない


👉 原因を見つけて
それに合わせて治療すること


👉 低血圧を見たら
「何が足りないか」を考える