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A line波形で何が分かるのか ― “数字になる前”の循環

手術中やICUにて・・・

血圧は110/60。

MAPも悪くない。

でも、
なんか嫌な感じがする。

A line波形が細い。

呼吸性変動も大きい。

脈圧も狭い。

EtCO₂も少し下がってきた。

まだ血圧は保たれている。

でも、

👉 “回っていない”。

そんな瞬間がある。


A lineは “血圧計” ではない

A line。

動脈ライン。

多くの人は、

👉 「リアルタイム血圧」

として使っている。

もちろんそれも重要。

でも、
本当に重要なのは、

👉 “波形”

A line波形は、

👉 flowの情報の宝庫


“なんか悪い”は波形に出る

ショックの初期。

出血の初期。

心タンポナーデ。

肺塞栓。

敗血症による血管拡張。

こういうとき。

血圧が落ちる前に、

👉 波形が変わる。

細くなる。

脈圧が狭くなる。

呼吸性変動が大きくなる。

dicrotic notch
(大動脈弁が閉じる波形)
が変わる。見えなくなる。

理想的な波形が出ないとき。

それは、
ライントラブルか、

👉 “flow低下”

が疑われる。


MAPは残酷なくらい保たれる

ここが重要。

身体は、
最後までMAPを守ろうとする。

限界まで頑張って、
そして突然崩れる。

身体は、
自分を守るために、
できることを全部する。

カテコラミンを分泌し、
末梢血管を収縮させ、
頻脈になり、
なんとかflowを保とうとする。

だから、

👉 “MAPが正常”

でも安心できない。

それは、

👉 「今は保てている」

だけかもしれない。

次の瞬間、
破綻することもある。

「血圧はあるのに波形が悪い」

本当は辛いのに、
必死に取り繕っている状態。


脈圧が狭い

脈圧とは、
収縮期血圧と拡張期血圧の差。

例えば出血。

循環血液量が減る。

前負荷が減る。

1回拍出量
(stroke volume)
が減る。

すると、
収縮期圧が上がらない。

脈圧が狭くなる。

これは、

👉 「1回拍出量が減っている」

サイン。

つまり、

👉 flow低下のサイン。


呼吸性変動が大きい

呼吸性変動とは、
A line波形が呼吸に合わせて上下する状態。

人工呼吸中。

吸気で波形が落ちる。

呼気で戻る。

人工呼吸では、
吸気時に胸腔内圧が上がる。

すると、
静脈還流が減る。

preload不足の状態では、
右室へさらに血液が入りにくくなる。

つまり、

👉 胸腔内圧変化に循環が振り回されている

状態。

換気のための、
そこまで強くない圧ですら循環が揺れる。

それくらい、

👉 “ギリギリの循環”

👉 「前へ送れる preload が足りていない」

可能性がある。

輸液反応性を考える重要なサイン。


tamponadeではどう見えるか

tamponade。

心臓が圧迫される。

右室が拡張できない。

preloadが入らない。

すると、

  • 脈圧低下
  • 奇脈(pulsus paradoxus)
  • 波形減衰

が起きる。

血圧低下より先に、

👉 “波形の違和感”

として現れることがある。


敗血症では逆に広いこともある

septic shock初期では、

afterload低下。

vasodilation。

hyperdynamic。

その結果、

👉 脈圧が異常に広い

ことがある。

warm shock。

“温かいのにショック”。

これも、
flow異常。


EtCO₂ともつながる

A line波形が悪くなる。

EtCO₂も下がる。

尿量も減る。

SvO₂も落ちる。

全部、

👉 「回っていない」

につながる。

だから重要なのは、

数字単独ではない。

👉 flow全体を見ること。


“波形を見る”という感覚

ICUや麻酔では、

「なんか嫌な波形」

を感じる瞬間がある。

数字になる前。

ショックになる前。

患者が崩れる前。

その違和感は、
実はかなり重要。

A lineは、

👉 “flow monitor”

でもある。


A lineだけでは決められない

もちろん、
波形だけでは分からない。

  • vasoplegia?
  • hypovolemia?
  • RV failure?
  • tamponade?
  • arrhythmia?

全部ありえる。

だから、

  • echo
  • EtCO₂
  • SvO₂
  • urine output
  • lactate

全部合わせて考える必要がある。


“数字”ではなく “流れ”を見る

A lineを見るとき大事なのは、

「血圧いくつか」

だけじゃもったいない。

重要なのは、

👉 “波形が何を示しているか”

脈圧。

variation。

立ち上がり。

減衰。

それらは、

👉 「今、本当に回っているか」

を反映している。


flowで考える

  • MAPは最後まで保たれる
  • 波形変化は flow低下の早期サイン
  • 脈圧低下は stroke volume低下
  • variation増大は preload不足のサイン
  • EtCO₂低下は flow低下
  • 尿量低下は腎血流低下

ショックを見るとき大事なのは、

👉 「今、本当に回っているか」

を考えること。


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