医療者の人でも嫌いな人が多いテーマです。
一般の方にはなじまない内容ですのでスルーでお願いします。
本に書いてあることとおんなじと言われたらそれまでですが・・・
pO2は血液中に溶けている酸素の量です。
SaO2は全ヘモグロビンのうち、酸素と結合しているヘモグロビンの量です。
pO2とSaO2にはある程度相関関係があります。
酸素は液体に溶けにくいです。その溶けにくい酸素が血液にどれだけ溶けたかを分圧で示しています。
そもそも溶けにくいものなので、この数字で一喜一憂しなくていいと思っています。
血液に溶けにくい酸素をすみずみの細胞へ酸素を運搬するために輸送用の道具が必要でした。ヘモグロビンです。
ヘモグロビンには鉄イオンが使われており、酸化されると赤さびの要領で赤くなります。酸素が豊富な動脈血は真っ赤です。末梢で酸素を供給し終わった後の静脈血は暗い青に近い色です。
そのヘモグロビンのうち、どれだけ酸素化されているか?が酸素飽和度SaO2です。
ヘモグロビンは末梢へ酸素を送るバスだと例えると、SaO2は乗車率です。
SaO2 100%は乗車率100%で、これ以上は運べません。過剰な酸素は肺の毒なので、酸素投与中なら減量を考えてもいいでしょう。
成人の正常値が97-98%です。
<Hb Ht>
Hb ヘモグロビン
Ht ヘマトクリット
ヘモグロビンは酸素を運搬する物質で、血が赤いのはヘモグロビンのおかげです。
12 < Hb < 15くらいが適正で、Hb<8になると医者は輸血を考え始めます。
産婦人科で若い患者さんだと輸血の副作用を嫌ってHb 5まで輸血しないで様子見るということもあります。
ヘマトクリットは血液中の赤血球の占める割合です。
経験的にだいたいHt = Hb x3
だと思っています。
<電解質>
Na+
塩化ナトリウム(塩)の陽イオンです。
136 < Na+ < 145
低ナトリウム血漿の時に急速に補正してはいけません。
K+
3.5 < K+ < 4.5
減少しても上昇しても不整脈がでやすいのでまめに補正されます。
K+は心臓手術の際、心停止液の重要な成分で、いそいで静注するとすぐ心臓がとまります。
比較的ゆっくりめに投与しましょう。
K+は腎臓で排出されるので、腎不全だとK+が高値になり、心停止のおそれがでてきます。
こうなったら透析も考えましょう。
Cl-
塩化ナトリウムや塩化カリウムの陰イオンです。
98 < Cl- < 107
Ca++
カルシウム
減るとイライラする・・・ってことは基本なさそうです。
血液ガスをこまめに測る状況にある人は、疲労してることはあってもイライラってあんまりないですけどね。
濃厚赤血球輸血を大量に行うと、輸血パックに抗凝固剤としてはいっているクエン酸により血中カルシウム量が減少します。こうなると強烈に血圧低下します。
大量輸血しているのに低血圧が改善しないときはカルシウムのことも思い出してあげてください。
カルシウム製剤静注でみるみる改善します。
<AnionGap>
電解質の計算で
Na+量 - (HCO3-量 + Cl-量)
8 ~ 16
で求められる数字です。
体内の陽イオンと陰イオンは合わせたら±0になるはずです。
これで8-16という値がでるのは、この三つ以外のイオンによるものです。
AnionGapが増えたら、Mg+や乳酸とかが多いという意味です。
糖尿病性昏睡の原因であるケトン体が多い場合もあります。
結局これだけでは確実なことは言えないです。ほかのパラメーターと連動して原因を探すことになります。名探偵になったつもりで犯人を突き止めましょう。
<Lac>
Lactate=乳酸です。
細胞は生きるために糖を分解しエネルギーを作り続けなければなりません。
酸素があれば効率のよいエネルギー抽出ができるのですが(後期的解糖)、呼吸不全だったり、心不全だったりで、末梢(=末端)の細胞に十分血液が廻らないと、糖を無酸素で糖を分解してエネルギーをつくります(嫌気的解糖)します。需要があればクエン酸回路から説明しますが・・・学生の時はあれがなかなか覚えられなくてキライでした。
嫌気的解糖はエネルギー作成の効率がわるく、副産物として乳酸ができてしまいます。
この乳酸が血ガス上Lacの値としてでてきたり
AnionGap値を大きくしたり
HCO3-値を小さくしたり
BEをマイナスにもっていったり
します。
末梢循環不全なので、補液して循環血液量増やして、強心剤で心臓うごかしていく必要があるでしょう。
<COHb>
COHb カルボキシヘモグロビンです。
一酸化炭素中毒の時に高値になります。
一酸化炭素COはヘモグロビンとの吸着がつよく、なかなか離れません。
すると、酸素が正常に全身に運搬されないので呼吸しているけど呼吸困難という状況になります。
タバコにも含まれていて、喫煙レベルの指標にされることもあります。
<Glu>
血糖値です。
なんか最後のほうやっつけになってしまった。
疲れたからあとは、質問あったら答えるってことで・・・
おだいじに~