Online よろず相談所

アラ50の医師が ゆるい説明しています

ブースターショットを受けるべきか?

3回目のワクチンを受けるべきか?
 
 
ぜひご自身で真剣に考えてみてください。
ワクチンは絶対接種するべきだと判断したら接種するべきだし、
受けたくないと判断した人は接種するべきではないです。
 
すくなくとも、他人に言われたから打つというのはやめましょう。自分の体のことを他人に決定してもらうのはおかしいです。
 
今すぐに決断できないなら、とりあえず問題を先送りすることをおすすめします。
幸いいまのオミクロン株は、感染力こそ強いですが、毒性は弱いようです。これを読んでくれるような人々ではほとんど重症化しないでしょう。それに現時点でワクチンは相当余っているようですから、品切れになることはなさそうです。いずれ必要だと思ったときにワクチン摂取すればよいと思います。
 
 
 
 
ワクチンについては私は専門外であり詳しくありません。ワクチン接種に、肯定する根拠も否定する根拠ももっていません。が、医学の常識で考えると疑問に思うことがいっぱいあります。
治療やワクチンを受ける側も、十分そのメリットとデメリットを確認してから決定するべきです。確率論で効果が副反応を上回るとみこまれるからこそ、手術などの治療が成立するのです。さもなければ外科治療は暴行と同じになってしまいます。
副反応も軽傷じゃないようですから。後悔なきよう。
 
 
参考までに、私がこのコロナワクチンに関することで疑問に思うことをいろいろ書いていきます。
 
ワクチンは本当にコロナに効くのか?
去年の今頃、ワクチン2回接種すればすぐにコロナは鎮圧されてもとの生活に戻ると言われていました。でも現実はそうではなかったです。日本人でほぼ8割の人が2回ワクチン接種しましたが、コロナは収束しませんでした。ワクチン接種で完全防御をしたのに、それをも突き破ってコロナは猛威を奮っているという”ブレイクスルー”がおきたというのですが、そもそもワクチンはコロナに効果なかったんじゃないかと考えることもできます。
1回目2回目で効果の出なかったものを3回目打ったら効果があるというのは、説明に無理があります。
 
開発後にうまれたオミクロン株に効果あるのか?
そもそも、武漢株(アルファ株)から30箇所も変異しているいまのオミクロン株に旧式(?)のワクチンが対応できるのか?顔だってパーツが30箇所も違ったら別人に見えるものです。精度が高いワクチンなら、ウイルスが変異するたびに効果亡くなってきそうなものです。実際3回目接種してコロナが減ってる印象はありませんね。
 
旧式のミサイルに対する予防兵器を開発したが、新式ミサイルには効果がなくて結局負けてしまった。戦争ではありそうな話です。
 
そもそも今ワクチンは必要なのか?
オミクロン株になって、”感染力”が強くなっている代わりに、”毒性”が弱くなっているようです。いま私が関わったコロナ検査陽性で重症化した人はいません。高熱や頭痛、喉の痛みが多く、咳が出る人もいます。熱は2-3日で収束してます。喉の痛みや咳はもう数日続く感じですがそれでも数日でよくなっています。
元気に回復するものになぜワクチン予防が必要なのか理解できません。
コロナ死亡は前回書いたとおり、必ずしもコロナ感染が主な原因でなくなったとは限りません。高齢者が寿命でなくなるのは自然の摂理です。実際2020年のコロナが最初に流行した年は年間死亡者減っていました。コロナ自体は死亡者数を増やさないという記録があります。
 
コロナワクチンの副反応は妥当なのか?
インフルエンザワクチンにも合併症はあります。全国で見れば死亡者もいます。厚労省のデータだと年間2-3人のようです。
しかし、日本でコロナワクチンの副反応による死亡者は1500人程。
どっちも厚労省のホームページです。
インフルエンザワクチンに比べてワクチン接種後の死亡者数があまりにも多すぎです。
 
 
 
 
他にも・・・
コロナワクチンはいずれも遺伝子組み換えワクチンで20年間研究してうまくいったことはないとか
コロナワクチンは昨年の段階で治験。人体実験中であるとか
さがすといろいろネガティブな情報がみつかります。
 
専門外の私には、ワクチンは受けるべきでないとは断定できないです。だからこそ、悩んでいる人は先送りすることをおすすめします。
 
専門外でも医師ならこれはいえます。
”感染したら死亡率が高くなるとか、生きていても障害が残る。ワクチンはそれを減らすことに有効である”
と証明できない限り、ワクチン接種の正義はなりたちません。
 
 
是非よく考えて決断してください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

子供にワクチンを打つべきか?

5歳からコロナワクチンが打てるようになりました。
 
ワクチン経験した人ならご存知でしょう。
ワクチン接種で腕の腫れや痛みだけならともかく、2日ほどの高熱や全身倦怠感。相当辛い。そういう副反応が出る頻度は結構高いです。
 
テレビではワクチンを受けねば人にあらずと言わんばかりの報道ですが、
あの辛さを我が子に体験させるのか?
そうやって悩んでいる方は多いと思います。
 
私は受けさせるべきじゃないと思います。
 
子供本人にメリットが少なく、デメリットが多そうだからです。
 
メリットとしてあげられることは
  1. コロナにかからない
  2. かかっても症状が軽く済む
 
があげられますが、1.の「コロナにかからない」 は現実としてワクチン接種者でもコロナ感染は起きています。ワクチン接種者のほうがよりおおく感染しているなんて情報もあるくらいです。
2.の「かかっても症状が軽く済む」は、具体的にどう症状が軽くなるのかだれも示していません。曖昧な表現です。
ワクチンさえ受けていれば幼稚園や学校など休めず行ける・・・とは現実なっておりません。
 
ワクチンパスポートって聞いたことありますか?
  ワクチン打っていればどの施設でも入れるけど、
  打ってない人は施設に入れない、あるいは入れても制限をうける、
というもので、これをやろうという動きが昨年ありましたが、現実にはなってません。ワクチンにコロナ予防効果がないと証明されちゃっているわけです。
 
ということで、ワクチンをうつメリットが見当たりません。
"人に感染させない"ために打つという人もいますが、ワクチン打ってもコロナに感染する以上、この効果もなさそうです。
2022年1-2月にかけて出回っているのが重症化しにくいオミクロン株であることを考えても、予防効果は大きくないでしょう。
 
 
 
デメリットはいろいろありそうです。
  1. 注射は痛い
  2. 指したところが痛くなる
  3. 打ったあと熱がでる
  4. 免疫が弱くなる
  5. 10年後20年後どうなるかわからない
 
1.は当然です。小さいこどもは大泣き。
2.も1.と同様
3.は、熱が出る人と出ない人がいます。高齢者は熱等出にくかったようですが、大人でも若者は仕事を休むほどの高熱が出ていました。
オミクロン株の症状は高熱と喉の痛みです。これを予防するべくワクチンをうって熱がでるとか。その後コロナを防げないなら本末転倒です。
4. 免疫とは細菌やウイルスに対する防衛能力のことです。ワクチン打つと帯状疱疹が出やすいということは聞いたことあるでしょうか? 今年は帯状疱疹で皮膚の痛みを訴える人が増えています。
帯状疱疹とは神経に常時住み着いているウイルスが起こすものです。普段から神経に住み着いているのですが、免疫の力でウイルスが活動できないようにしています。ワクチン打った人に帯状疱疹が出やすいということは免疫力が落ちていることを表しています。
免疫が落ちるということは、コロナに限らず感染症やガンにかかりやすくなるということになります。
5. コロナワクチンは遺伝子ワクチンです。体内に注射されて、その遺伝子により敵であるスパイク蛋白を自分で作り、それに対する防御をするというものです。
敵から核ミサイル打ち込まれても対処できるような研究をしようと、国内で核ミサイル作って見るようなものです。
研究のためとはいえ、作ってしまった核ミサイルが10年後20年後どうなるかは、10年20年経ってみないと分からないのです。
高齢者が20年後に副反応がでる薬をつかっても、まぁ寿命かしら・・・といえなくもないですが、5歳に摂取してその子が25歳になったときに取り返しのつかない副反応がでてしまっては目も当てられません。
 
 
治療には必ずデメリットがありますが、それよりもメリットが勝ってなければその治療はだめな治療です。
より生存率の高い、より死亡率の低い治療を探すのが医学です。
 
ここまで日本でのコロナ死亡者数は非常に少なく、オミクロン株になってからは重症化もほぼないです。
重症化する人は高齢者か持病を持っている人のみです。
30歳代まで、日本でコロナで死んだ人は0なのです。
 
それなのに副反応で死亡者もでているワクチンを子供に打つのは、あまりにも負け戦です。
現時点では正解はわかりません。ワクチンは受けたほうがよかったという結果が数年後に出るかもしれませんが、現時点ではワクチンにはメリットが少なさそうです。
 
子供のワクチン接種(大人もですけど)はよく考えて決定してください。
うってよかったと思うのか、うって後悔するかは子供たちです。
しかも20年後。

オミクロンの実際

オミクロンで第6波
テレビや新聞では大騒ぎです。
 
発熱外来に訪れる患者さんも増えてきました。
熱発して病院に来る人の7割-8割がコロナ感染陽性者の印象です。
熱発意外の主な症状は喉の痛みを訴える人が多いです。関節痛や頭痛を訴える人も多いです。
これまでコロナ感染症で重症化するのは血栓症とか免疫の過剰反応といわれていたので、デルタ株までとは性格が違うようです。
 
さらに話を聞くと、ほとんどの人が2-3日で熱もひき体調良くなっているようです。
私が接している限りでは重症化した人はいません。
 
 
コロナといえばいろいろ謎なところがあります。
 
一番気になるのがコロナ死亡です。
亡くなった方のPCR検査が陽性であれば、死因はコロナ感染ということになっているのですが
  交通事故で出血多量の人でも
  心筋梗塞が起きていても
  末期がんの状態でも
  100歳を超えて老衰と呼べそうな状態の人でも
死亡時にPCR検査が陽性ならばコロナ感染死でカウントされています。
これではコロナの殺傷能力が課題評価されてしまいます。
 
特に最近のオミクロン株はそれ自体は重症化しないようです。
最近のコロナ死亡者数は、PCR陽性だった人の別の理由による死亡なんだろうと予測できます。
未知のウイルスですから100%大丈夫とは申しませんが、過剰に心配する必要はないんじゃないでしょうか。
 
 
ちなみに
発熱外来きてコロナ陽性と診断されると、解熱鎮痛剤や総合感冒薬みたいなのを処方されるけど、その後は保健所任せです。
その保健所は4日くらいしないと連絡来ないとか。
保健所も4日くらいで元気になることを見込んでそのタイミング何でしょうかね。
 
手洗いうがいが有効です。
熱発したらスポーツドリンクいっぱい飲んで暖かくして寝ましょう。
ほとんどの人が2-3日で良くなリます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

コロナとワクチン

最近コロナワクチンの摂取が始まりました。
 
よく患者さんで聞かれるのが、
高血圧や糖尿病などリスクをもっているがワクチン接種うけて大丈夫?
という質問。
 
答えは・・・わかりません。
コロナもワクチンもどうなるか情報がまだほぼ無いからです。
 
副作用出ている人は実際いるので、全員が受けるべきモノでは無いでしょう。
 
そこで提案ですが
ワクチンに不安を感じる人は
ワクチン接種は次の冬まで待ってみてはいかがでしょう?
 
どうせこれから春・夏と、風邪や肺炎はオフシーズンに入ります。
夏に風邪引く人は減るし、去年だって夏の間中、コロナ発症の話題はずいぶん減ってました。
寒くなって1月になるまで緊急事態宣言は出ていません。
 
不安のまま摂取して後悔するより、
半年ぐらいゆっくりまって、事の成り行き見定めてから
予防接種するかどうか考えたらいいと思いますよ。
 
 

大動脈弁狭窄症

心臓は筋肉でできた袋です。
筋肉が収縮したり拡張したりすることで全身に血液をおくる臓器です。
 
単に筋肉袋が広がったりしぼんだりしているだけでは血液は同じところをいったりきたりで次に勧めません。
そこで心臓には逆流防止弁がついてます。
心室の、入り口と出口に1枚ずつ。右心室、左心室あるので計4枚あり、
心室の入り口を 僧帽弁
心室の出口を 大動脈弁
心室の入り口を 三尖弁
心室の出口を 肺動脈弁
といいます。
 
逆流防止弁にまつわるトラブルといえば
通過障害と逆流が防止できなくなっている状態の2つです。
故に弁膜症の病気といえば
狭窄症        ・・・道が狭くて通り抜けにくい、通り抜けるのにすごい抵抗がある
閉鎖不全症・・・逆流起こしていて、せっかく送り出した血液が戻ってくる
これらのMix
 
の3通りしかありません。
バイキンにやられてしまった感染性心内膜炎というのもありますが、感染症が原因であり、丁寧な抗生剤治療が必要というだけで、病態としては閉鎖不全症になります。
 
 
 
<大動脈弁>
大動脈弁は3枚の弁で構成されています。
大動脈弁は3枚の薄いパラシュートのような膜で構成されていて
心臓が収縮し血液が送り出されるときは開き、拡張するときに3枚の弁がパラシュートが膨らむことで穴が閉じ、せっかく送った血液が戻ってこないようになっています。
この薄い膜が動脈硬化などの原因で動きが悪くなり、徐々に狭くなってくるのが大動脈弁狭窄症です。
 
 
<大動脈弁狭窄症>
疾患は多く、軽度・中等度・重度の3段階で評価されますが
軽度・中等度では一般的に症状ないです。
心雑音として特徴的な音がするので、よく健康診断で引っかかります。
 
心臓音は"どっきん、どっきん"といわれますが
"どっ"が僧帽弁の閉じる音で、
"きん"が大動脈弁の閉じる音です。
"どっ"と"きん"の間で心臓が収縮して血液が大動脈弁を通り抜けているのですが、
その大動脈弁が狭くなっていて通り抜けにくくなっており、音がします。
強いて言うなら"どっ ざー (きん)" とか "どっ ごー (きん)"
みたいなイメージです。"きん"は聞こえないことも多々あります。興味あったら聞いてみてください。
 
 
<病態>
大動脈弁が狭く、心臓の出口が狭き門になっています。
心臓にとっては余計な負担になっています。
細いストローでジュースを飲むことが大変なことをイメージしてください。
 
心臓はそもそも余裕を持って作られているので
軽度・中等度では症状はないです。心臓のパワーで狭窄症の抵抗をカバーします。
しかし、さらに重症化し、弁の穴が狭くなってくるとカバーしきれなくなり、階段登ったりなどの労作時に息切れとか胸痛が出てきます。
脳にとどける血流が少なくなり失神することがあります。
 
胸痛とか失神発作がでるようなら積極的な治療をしたほうがいいでしょう。
さらに放置すると突然死のリスクが高いです。
 
 
<治療の適応>
心臓超音波や心臓カテーテル検査で調べます。
大動脈弁狭窄の前後でどれだけ圧力が違うのか?を見ます。
圧較差といい、40mmHg以上だと重症で手術となります。
40mmHgの圧較差だと、大動脈弁の口は本来なら3cm2なのが<1cm2以下程度になりますね。
 
 
<治療>
固く変性してしまったものは内服ではどうにもならないので手術になります。
人工心肺を用いて心臓を止めて人工弁に取り替えてくる弁置換が基本の術式です。
最近はカテーテルでなんとかする方法もあります。
カテーテルで風船で弁をパキっと広げてくる治療や
カテーテルで人工弁を留置してくるTAVIと呼ばれる術式は非常に低侵襲ですが、非確実なところもあります。
 
 
 
 
 
 
 
 

ペースメーカーの話 その1

ループレコーダーの話をしたので、よくあるペースメーカーの話をしたいと思います。
 
 
ペースメーカーは脈が遅くなるタイプの不整脈に対してつかわれます。
 
徐脈とは遅い脈のことで、定義としては、脈拍が1分間に60拍未満のときに徐脈といいます。脈拍60以下になったらすぐ危ない・・・ということはなく、脈拍40後半でも無症状の人がほとんどです。
 
徐脈になると心臓がもうすぐ止まる・・・と不安になる人も多くいるのですが、徐脈=もうすぐ死ぬではありません。
 
心臓は筋肉でできた袋で、この筋肉を心筋といいます。
心筋は心筋細胞がいっぱい集まって袋の形になっています。
心筋が収縮することで、筋肉の袋は縮まり、中に入っていた血液が力強く押し出されて、各臓器に送られています。
 
心筋細胞がバラバラに伸びたり縮んだりしても、中の血液はモミモミされているだけで、血液は先には送られません。
 
小学生のときのおしくらまんじゅうをしたとき、生徒たちがみんなでバラバラにやっても(協調してないと)力が抜けて圧力がかからず、おしくらまんじゅうになりません。
 
そこで、担任の先生(体育の先生?)が笛でピッピとふくと、生徒たちはタイミングよく力を合わせるようになり、圧力がかかり、すばらしい おしくらまんじゅうになります。リズムを取ることって大事ですね。タイミング=時期を合わせることを"同期させる"といいます
 
先生の笛の役目は心臓では電気信号でやっています。
生徒がどんなに元気でも笛ピッピがちゃんと聞こえないとおしくらまんじゅうできないように、心筋がどんなに元気でも電気信号が適切に伝えられないと、心臓は十分仕事できません。それで心臓には電気回路が備わっています。
刺激伝導路と呼ばれます。
 
その刺激伝導路の障害で、
笛の間隔がおそくなったり(洞不全症候群など)
伝達できなくなったり(房室ブロックなど)
すると脈が遅くなって障害が出ます。
笛が聞こえなくても生徒たちは勝手に動き出すように、心筋は信号がこなくても最低速度で動くようになっていますが、脈拍30-40くらいの非常に遅い脈です。
心筋細胞が元気でも、おそすぎる脈では全身に十分な血液が届けられないので、めまいやふらつきなどの症状が出ます。
 
それをなんとかするのがペースメーカーです。
常に心臓の脈を監視して、設定された心拍数以下にならないようにしています。
刺激伝導系を治すための治療ではありません。刺激伝導系の代わりをするものです。
だから植え込んだペースメーカーを外す事は普通なく、一生入れたままにします。
 
電池は7-10年持ちます。
充電式ペースメーカーはまだ存在せず、電池が無くなるまえに外科手術で本体だけ交換します。電池がなくなったら必ず心停止・・・というわけではないですが、手術する前の状態には戻ってしまいます。電池チェックは病院によりますが数ヶ月に1度行われます。
 
局所麻酔の小手術が必要で、
左右どちらか(利き手じゃない方等)の鎖骨の1-2cm足側に5cmくらいの皮膚を切り、そこに直径5cm、重さ20gくらいのペースメーカー本体と、そこから心房・心臓に電線をはわせます。
電線は1本か2本です。3本使うタイプのペースメーカーもありますが、それは重症心不全の心臓に使う特殊タイプです。電気ショックつきペースメーカーもありますが、これも徐脈だけの人には使用されません。
 
 
 
よくある質問で
携帯電話は使えますか?
〇〇は使えなくなる?
とかあります。
 
電磁波を出すもののそばにいるべきではないことになっています。
体内に埋めこまれたペースメーカーは無線で設定変更とかするのですが、無線とは結局電磁波なので、誤作動の可能性があるから・・・です。
電気で動くものはすべて電磁波を出すので、厳密に言うとすべてダメということになってしまいます。
が、強い電磁波でなければペースメーカーが狂わされることはないです。
そして電磁波は、発生機械から離れれば離れるほど弱くなっていきます。
 
磁石はごく近くだと強い力でものを引き寄せるけど、いくらか距離をあけると引き寄せのちからが弱くなりますね。電磁波は電気と磁力でできている波なので、ちかくにあるものは強い影響力、離れると弱い影響力になります。
キッチンのIHヒーターは強力な電磁波を出しますが、50cmほど離れれば大丈夫と言われています。スマホとか携帯電話は16cmほど離せば大丈夫。左の胸にペースメーカー入っている人は、右の耳に当てる電話なら問題ないです。電車で隣の人が電話かけてても、誤作動は起きません。
ペースメーカの真上に強力な磁石を置くとか、強力な電磁波が発生する発電所等で働くとかは避けたほうがいいでしょう。電源をいれたままの電気毛布・電気カーペットはさけた方がいいです。先に温めておいて電源をきったあと毛布に入り込むことは何ら問題ないです。
飛行機乗るときの金属探知機は通らないように指導されますが、立ち止まらなければとくに問題ないです。お店の入り口によく見かける盗難防止装置も同様にさっさと通り抜けて仕舞いましょう。急に気分が悪くなったら、そこから数メートル離れればいい程度に考えていて大丈夫です。
 
そもそも、誤作動といっても、ペースメーカーが止まっちゃうとかじゃありません。メチャクチャな脈になるというわけでもないです。
ペースメーカーはよく設計されていて、強力な磁力の元では、マグネットレートといって、ペースメーカー本体の、初期設定モードで動くようにできています。バッテリー残量のチェックにつかわれます。
なので強力な電磁波に触れて心臓が止まるとか、ぶっ倒れるとかはありません。
個別に細かい設定していたペースメーカーが、最低保障の設定に戻るので、そこでいささか不快に感じる人が出てくるかもしれません。が、ペースメーカーが機能停止するわけではないです。死んでしまうこともないです。
 
MRI(脳外科や整形外科でつかわれる強力な磁力を仕様した検査)は注意が必要で
MRI対応型のペースメーカーシステムを使っている人は無問題。
MRI非対応型のペースメーカーシステムを使っている人はMRI禁止です。
MRI対応型は10年くらい前からつかわれるようになりました。それ以上前にペースメーカー埋め込んだ人はMRI禁止です。
 
 
手術のリスクといっても、他の外科手術よりはリスク少ないですし、
ペースメーカーを植え込むだけで快適になるなら、積極的に考えていいんじゃないでしょうか。
ペースメーカー本体は1個100万円くらいです。
 
 
医療の相談お待ちしてます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ループレコーダー

意識消失発作を起こし、入院中という70歳台の女性から質問いただきました。
 
 
主治医の先生から
原因がわからない。不整脈が疑われるが、年に数回しか起きておらず、従来の方法では検査できないからループレコーダー植え込みをしようと思う。
 
 
ということでループレコーダーって何?
という質問です。
 
 
主治医の先生にきっちり説明してもらって、
十分理解してから治療をうけるかどうかを決めるのが理想的ですが、なかなか難しいです。
 
何度説明聞いてもわかんなくて結局直せないままでいる私のスマホやブログを思えば、その分野に詳しくない人が限られた時間で十分理解して判断するのは相当無理があると思います。
 
医療のことで疑問におもったら
そんなときこのブログお役立てください。
 
一般の方も医療者の方も大歓迎です。
納得できるまで質問してくださってOKです。
返事が遅くなるのは申し訳ないです。
 
 
 
 
 
本題に戻って。
 
今回のお悩み相談は
年に数回、完全に意識失うことがある人です。
既に脳の検査や心臓の検査は一通り済ませており、それでも原因がわからなかった様子。
それで主治医の先生はループレコーダーを使おうということになったとのことでした。
 
おそらく主治医の先生は
年に数回の意識消失発作は不整脈ではないか?
普段は正しい脈(洞調律)ですが、ふと脈がとまることがある
と考えているのでしょう。
それならペースメーカー植え込み手術すれば問題解決です。
 
でも検査に引っかからない。証拠がない。
実は別の原因かもしれない。
必要のない人に高額の医療費と感染などの命にかかわるリスクを負わせるのは倫理的に間違っています。
 
医療は"いちおう"で行うべきではありません。
 
 
健康診断でも検査する心電図は10秒ほど。
ホルター心電図という、24時間記録するものもあります。
これらは非常に有用な検査ですが、今回のように年に数回程度の発作があるようなケースだと難しいです。
 
そういう疾患のために最近は便利なものが生まれました。
ループレコーダーです。
長さ5-6cm 横幅2cm 厚さ1cm程度の小さな箱を胸の真ん中の皮膚bに植え込みます。
24時間365日心電図を測定し、無線で情報を飛ばします。発作がおきたら、あとから主治医がその時の心電図の記録をみる感じです。
 
あくまで検査機器であり、なんにも治療はできません。不整脈がおきても記録するだけです。
その代わり、電池寿命は3年間ほど。3年間分の不整脈の記録ができます。
 
局所麻酔で皮膚を麻酔してカテーテルのようなもので埋め込みます。痛くないわけではないですが、ペースメーカー手術よりさらに少ない侵襲と考えていていいのではないでしょうか。
 
3年たって電池がなくなったら、新しいものに付け替えるとか放置するとかです。
感染などのトラブルが起きなければわざわざ抜去しなくてもいいと思います。
 
 
多分いろいろ怖い合併症の説明をされていると思いますが、発生率は低いはずです。ご検討ください。