Online よろず相談所

アラ50の医師が ゆるい説明しています

あべのマスク

 
各世帯にマスク配ってどうするんだろう。
議員が国会でマスクしててどういうつもりなんだろう。
 
ウイルスの粒子は非常に小さく、マスクは簡単に通り抜けてしまうため予防効果はないです。
WHOが健常人がコロナウイルス予防のためにマスクするべきではないと言ってます。
今回安倍首相がバラマキしようとしている布マスクはウイルスにたいしては全く価値がありません。せめて不織布のマスクにしてくれよと。コロナには価値がないって証明されているものをばらまく意図とはいったい?
 
 
ウイルスにかかっている人が他人にうつさないためにつけるものです。
医療者がマスクするのは、すでに感染知ているものという前提で、その拡散を防ぐ目的です。医療者がコロナになりたくないと思うなら、そもそも現場に出ないのが一番なわけですから。
保湿効果があるから、風邪引いて調子悪い人に有効だし
マスクのフィルタは花粉はキャッチするので花粉症の人にも有効
マスクが無駄だといっているわけではありません。
 
しかし生産が追いつかなくなっている今、マスクは絶滅危惧商品(?)。
有効な使い方をするべきです。
国会とか、健康なはずの人達がマスクして的はずれな議論するのはおかしくないですか。感染が疑われているならそもそも国会来るなよと。マスクした首相がテレビに写ったら、いよいよ世紀末でマスクしなきゃって気持ちになり、またマスクが枯渇してしまうでしょう。
 
そしたら、普通の風邪の人や花粉症の人にマスクが行き渡らなくなり風邪は拡散し、花粉症の人は辛い毎日。
その他医療機関にもマスクが行かなくなり、
外科の医者はマスクなしで手術することになる。
そうしたらもう大変。術後感染だらけ。
免疫抑制剤とかつかっていて、日常にいるウイルスや細菌にも重症化してしまう状態の患者さんももう大変。
通常だったら起きないトラブルが起きて、退院できる人が退院できなくなってしまいます。
 
政治家ってのは理想の方向へ国民を誘導するべきものだと思うんですけどね。マスクから鼻がでちゃってる政治家とか、ほんとなんのためにマスクしてるのかと。国民を翻弄させるためだろうか。
 
 
 
私は感染症の専門医ではないので、コロナについては正確な予想などできるはずもないのですが
目にするコラム等から妄想すると
コロナに感染した人のうち
80%は軽症ですみます。
重症化する多くは高齢者だったりヘビースモーカーだったりの、体力的弱者で、2-5%が死亡すると言われています。
一定比率ですすむ案件です。
 
コロナがどういうウイルスなのか?
どういう対応が一番有効な方法なのか?
これは数年後、さまざまな都市の方針と結果をみて学者さんたちがまとめることです。いま正解なんてだれもわからない事です。
 
いま入ってくる情報だとイタリアは高齢者で基礎疾患を持つコロナ患者は治療拒否したようです。多くの患者が病院にながれこんで病院の機能がとまり、体力がある軽傷患者の助けられる命まで失うことを避けた政策といえるでしょう。
結果約2万人の死亡者が出ました。
生き残った人たちはコロナに耐性がある人たちなので、発生率はピークアウトし、収束に向かっている様子。
 
 
 
 
これに対して日本は感染が広がらないようにと人々が接触しないように学校閉鎖や外出自粛をうながしていることで死者はいまだ100人足らず。東京では感染が確認された人が毎日3桁ずつふえており、まだまだ感染拡大の可能性。
 
日本という国の方針は、とにかく死者を出したくない。
どの人も救いたいという政策の国だと思います。
若い人たちはコロナにかかってもほぼ大丈夫だから、バリバリ仕事してどんどん遊んでもらっていいはずです。
本人たちもそのほうが充実していて楽しいし、税収的には働いた分の所得税も遊んだときの消費税もふえて助かるはず。
 
それなのに、若者が働き遊ぶことを否定したのは、若者の中に介護職に従事するひとたちがいて、コロナに感染したその人達が老人ホーム・介護施設でコロナを拡散する可能性がたかかったから。
介護が必要な老人はコロナ重症化のリスクが高く、そういった人たちが急増すると、呼吸器も延命装置ECMOもすぐに枯渇し、医療崩壊が起き、コロナとは関係ない患者まで多くの命が失われる。
 
それを予防するべく、密閉・密集・密接空間にいかないようにと積極的にキャンペーンをし、収入が減った家庭に給付金をだし
とにかくコロナ感染者の増加をゆっくりにしているわけですね。
重症化する患者の総数はいっしょでも、発症を時期をできるだけずらして1日あたりの重傷者数をへらせば、医療崩壊は免れると。
ピークアウトはだいぶ先でしょうけど。
 
 
と思っていたのに
あべのマスクみてその考えが崩壊しました。
 
熱発していないみなさん
マスクあってもなくても対して変わらないから
手洗いと水分補給を徹底してください。
 
 
 
 
 
 
 

最後の切り札? ECMO エクモ

 
タライが頭に落ちてきても
トンカチで頭を殴られても
無事だった昭和のスターがなくなりました。
 
しむらーうしろーうしろー
とテレビの前で声をからしていた頃が思い出されます。
 
そのスターに取り付けられていたECMOってなによ
と聞かれたのでこれについて書きます。
 
 
ECMOとはExtraCorporeal Membrane Oxygenationの略で、直訳したら「体外の膜で酸素化」でしょうか。人工心肺の事です。
破綻した循環をサポートする機械です。
肺の代わりをする機械です。
きっとみなさん、そこまではわかっていると思います。
もうちょっとくわしく書くのでお付き合いください。多少に複雑な装置なので説明も長めです。
まずは"循環"を理解してもらえると、ECMOの仕事がわかりやすいかと思われます。
 
 
 
<循環>
会社とかでも一人でなんでもこなすワンマン社長タイプの人はいますが、多くの会社には企画部・運営部・製造部・営業部・経理部・・・と部署が別れているように、それぞれ役割分担して活動したほうが効率良いものです。
 
体の細胞も同様に
脳細胞は全身の総監督
筋肉細胞は運動・移動
肺細胞は呼吸
消化管の細胞は栄養摂取
肝臓の細胞は解毒・貯蓄
腎臓は水分量・電解質の管理と毒素の排出
と仕事内容が別れており、個々の細胞がしたことを血液にのせて全身の細胞に供給・還元するのが循環です。
 
循環する血液のルートは決まっていて、
全身の臓器の細胞から戻ってきた血液はすべて
静脈を通って右房・右室とめぐり肺に流れます。
そこで酸素化されて左房・左室と巡り動脈にのって全身の個々の細胞へと運ばれ、
各臓器・各細胞が活動し静脈また心臓に帰っていき右房・右室・・・・と絶えず循環しています。
 
 
<臓器の代わりをする装置>
例えば腎臓は尿を作ることで体内の毒素の排出と水分の調節をしています。
腎臓が機能停止し、尿が全く出ない腎不全となったら、体は水分と毒素であふれ3-4日で死んでしまいます。
腎不全となった人が生きていくためには透析が必要になります。
腕の太めの血管2箇所にそれぞれ太めの点滴をさし、そのうち一本から引き抜いた血液を透析液で洗浄しながらフィルターにかけて濾過し、もう一本の点滴から体に戻していきます。
腎臓が24時間毎日やっている仕事を週3回、4-5時間の透析でまかないます。
腎臓の機能を回復させる治療ではありません。
腎臓はすでに荒廃して機能しなくなってしまったから透析が導入されるわけす。腎機能回復のためには腎臓移植しかないです。
 
<重症肺炎>
コロナは重症化したとき、重症肺炎を引き起こします。
肺の細胞を破壊し、空気が入るべきスペースを水浸しにしてしまう病気です。陸地にいながら、水で溺れてしまった状態になるのです。
当然めちゃくちゃ苦しいです。肺に水分があるので、むせ返るような咳もいっぱい出ますが、改善はされません。
肺の一部分が水浸しになるだけなら、他の健康な部分の肺で呼吸をカバーできるのできるのですが、肺全体にこれがおきるともはや自力ではどうしょうもなくなります。
少ない健常な肺の部分でなんとかするために最初は酸素マスクで酸素を投与されるでしょう。
それでも足りなかったら、気圧という圧力を使って押し込みます。陽圧換気と言います。
呼吸器編で書いたPEEPに該当します。
 
 
 
 
<人工呼吸・陽圧換気>
コロナに限らず、肺が水浸しになって呼吸不全になる病態は少なからずあります。大きな事故や大手術の後など、大きなダメージを受けたあとにしばしば遭遇します。
長期に肺に高圧をかけ続けることは、肺のためには良いこととは限りませんが、現場では高圧を肺にかけて、無理やり呼吸し、重篤な炎症期を乗り切る治療が選択されます。それが一番生存率が高いからです。
肺が重症化してしまった時、肺のために優しい呼吸設定では、他の臓器が低酸素で死んでしまうのです。
 
 
 
コロナの場合は、そんな極限の圧力かけても呼吸が改善しないほど重度の呼吸不全になるようです。
肺も体も壊れる治療では意味がありません。
どうするか? 体外循環を選択します。
多くの場合、鼠径(足の付根)と右首に直径7〜8mmほどの太い管を刺しいれ、それぞれ先端を心臓(右心房)にくるように起きます。この2つの管をECMO(人工心肺装置)につなぎます。足から入れた管から血液を抜き出し、遠心ポンプとよばれるポンプで圧力をかけ、人工肺を通過させ、首のカテーテルから体内に戻します。
酸素を取り込む臓器は肺ですが、それが機能していないので、肺に血液が流れ込む前に十分酸素化してあげて、全身に酸素が流れるようにするのが目的です。
人工肺にも歴史があるのですが、今は膜型の人工肺を使います。
体外で膜型人工肺を使って酸素化するから
ExtraCorporeal Membrane Oxygenation (ECMO) エクモ
なのです。
 
なので、ECMOは肺を良くする治療ではありません。
一時的に、だめになって機能してない肺に変わって、全身に酸素を取り込む機械です。
 
心臓から血液を抜き、さらに高い圧力をかけて動脈に戻すECMOもあり、
経皮的心肺補助法 PCPS: percutaneous cardiopulmonary supportというのもあります。心臓が機能しないときの装置ですが、説明は今回は割愛します。
 
 
 
透析が腎臓を元気にさせる治療でないのと同じように、
陽圧換気もECMOも肺を元気にさせる治療ではありません。
肺が治るのを待っていたら低酸素症で脳など全身が機能停止してしまいます。
脳が機能を停止したらそれは"死"です。そこからの復活はありません。
そうならないための応急処置です。
 
人工心肺が稼働できる2-3週間の間、体のいろんな環境を整えて、肺が自力で回復するのを祈る治療です。
 
風邪は2-3日、インフルエンザもせいぜい1週間で治るように、コロナもウイルスであるなら、1-2週間で免疫が獲得され、肺は治ってくるはずです。
その1-2週間中、酸素が取り込めなくて低酸素症で死んでしまわないようにと取り付けられるのが人工呼吸器でありECMOです。
 
 
 
 
<ECMOの合併症>
人工呼吸器は比較的安全に管理できるので、長期の人工呼吸治療はたびたび見かけるものですが
ECMOは長くても一月程度しか回さない、というかまわせないです。
 
なぜか? ECMOには副作用というか合併症が多いのです。
体から血液を引き抜いて酸素化して体に戻すということにそもそも無理があるのです。
 
まず、カテーテル(くだ)が太いです。外来でちょっと点滴・・・で使う針のほぼ10倍の太さです。
透析のときの点滴の針よりぜんぜん太いです。
透析は血液の一部を4時間かけて洗う治療ですが
ECMOは1分間に4リットル全身をめぐる血液の殆どを酸素化しなければならない治療なのです。
細いカテーテルでは十分な量の血液交換ができないですし、細いと高い圧がかかってしまい、血管や血球がより壊れやすくなります。
そして、太いカテーテルを刺すというだけで痛みがあり感染や出血の合併症が起きます。
 
切り傷の出血がすぐに止まるように、血液は血管外にでたら固まるという、大事なメカニズムがあリます。
そのまま透析やECMOを接続して動かすと、すぐに回路内の血液が固まって詰まってしまいます。
そこでどちらも血が固まらないようにとヘパリンという薬で管理するのですが、これはつまり出血しやすい体にさせるということです。
 
カテーテルや人工肺など、人工物にふれるだけで血液はでダメージを受けて行きます。炎症がどんどん進んでいきます。
人工肺を通るたびに赤血球や血小板がどんどん壊されていきます。狭い膜型人工肺に血液を流して酸素化すること自体が血液にとって非常に負担です。
長時間の体外循環は輸血がどんどん必要になっていきます。
輸血とは血液の移植です。血液型があっていても、他人の血液を大量に入れ続けることは肺や肝臓を悪化させます。アレルギーが起きることもあります。
 
全身にそれほどの炎症がある状態では、尿も出なくなります。持続型の透析もつけます。
命をつなぐための装置は、命を削るような治療でもあるのです。
 
血小板もへり、炎症も重度になり、凝固系が狂い始め、血が固まらなくなります。
至るところで出血が起きます。
出血が脳に起きると・・・脳障害が起きます。
復活できないレベルの脳障害を確認されたら、もはや回復のための治療ではなくなります。
延命治療です。復活出来ないからです。
麻酔で深く眠らせているとはいえ、延命治療は苦しいのです。復活できないと確認されたら、はやく苦しみから開放してあげるべきではないでしょうか。
 
脳出血などの致命的な合併症が起きる前に免疫が獲得できて、復活できる体力をもっているひとなら2週間位でなんとか補助の機械が外れていって回復できるかもしれません。
 
この治療中の本人にかかるストレスは想像を絶するものです。
そして、これを集中管理スタッフが不眠不休で行います。
担当医グループ、ナースチームは当然として、ECMO操作に臨床工学士が患者さんに張り付きます。
コロナ以外の感染症もでやすく、薬の適正使用のために薬剤師もひたすら見えない敵と戦います。
ECMOが回ると、多くのスタッフが力を合わせて見えない敵と戦い始めます。
それでも生存率は高くありません。生命の限界を超えた治療で、些細なことで簡単に破綻するからです。
 
いま、コロナに感染し重症化した人でその半分が復活出来ているようです。
これはすごい優秀な成績だと思います。
私が医者始めたばかりのころ
ECMOが装着される = 延命
のイメージでした。
ずっと研究され成績を上げている医療チームの方々には頭が下がります。
 
 
 
 これだけECMO治療は大変なことなのです。
「コロナにかかっても、呼吸器もECMOもあるじゃないか」と考えられていた方に、
たしかに他には方法がなく、切り札だしけど、皆さんの思っている理想の治療器具からは程遠いことを理解してもらえたら幸いです。
私はコロナになって重症化したら、ECMOまではいいです。
 
 
 
ECMOがついたとテレビで見た時、その後2週間くらい頑張ってさてどうだろう?と思っていました。
すごい元気なイメージがありますが、70歳で若いとは言えず、
ヘビースモーカーや大量の飲酒歴があり、そうとう体は弱っていたようです。
それでもECMOついて1週間持たずに決着がつくのは正直早かったなと思います。
 
ファンとしてはあっさり復活してコロナのコントをやってくれる未来を期待していました。
お悔やみ申し上げます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

<医療者むけ>血ガスの読み方2 その他

医療者の人でも嫌いな人が多いテーマです。
一般の方にはなじまない内容ですのでスルーでお願いします。
本に書いてあることとおんなじと言われたらそれまでですが・・・
 
 
pO2は血液中に溶けている酸素の量です。
SaO2は全ヘモグロビンのうち、酸素と結合しているヘモグロビンの量です。
pO2とSaO2にはある程度相関関係があります。
 
酸素は液体に溶けにくいです。その溶けにくい酸素が血液にどれだけ溶けたかを分圧で示しています。
そもそも溶けにくいものなので、この数字で一喜一憂しなくていいと思っています。
血液に溶けにくい酸素をすみずみの細胞へ酸素を運搬するために輸送用の道具が必要でした。ヘモグロビンです。
ヘモグロビンには鉄イオンが使われており、酸化されると赤さびの要領で赤くなります。酸素が豊富な動脈血は真っ赤です。末梢で酸素を供給し終わった後の静脈血は暗い青に近い色です。
そのヘモグロビンのうち、どれだけ酸素化されているか?が酸素飽和度SaO2です。
ヘモグロビンは末梢へ酸素を送るバスだと例えると、SaO2は乗車率です。
SaO2 100%は乗車率100%で、これ以上は運べません。過剰な酸素は肺の毒なので、酸素投与中なら減量を考えてもいいでしょう。
成人の正常値が97-98%です。
 
<Hb Ht>
Hb ヘモグロビン
 
ヘモグロビンは酸素を運搬する物質で、血が赤いのはヘモグロビンのおかげです。
12 < Hb < 15くらいが適正で、Hb<8になると医者は輸血を考え始めます。
産婦人科で若い患者さんだと輸血の副作用を嫌ってHb 5まで輸血しないで様子見るということもあります。
ヘマトクリットは血液中の赤血球の占める割合です。
経験的にだいたいHt = Hb x3
だと思っています。
 
 
電解質
Na+
塩化ナトリウム(塩)の陽イオンです。
136 < Na+ < 145
低ナトリウム血漿の時に急速に補正してはいけません。
 
K+
塩化カリウム陽イオンです。
3.5 < K+ < 4.5
減少しても上昇しても不整脈がでやすいのでまめに補正されます。
K+は心臓手術の際、心停止液の重要な成分で、いそいで静注するとすぐ心臓がとまります。
比較的ゆっくりめに投与しましょう。
K+は腎臓で排出されるので、腎不全だとK+が高値になり、心停止のおそれがでてきます。
こうなったら透析も考えましょう。
 
Cl-
塩化ナトリウムや塩化カリウムの陰イオンです。
98 < Cl- < 107
 
Ca++
カルシウム
減るとイライラする・・・ってことは基本なさそうです。
血液ガスをこまめに測る状況にある人は、疲労してることはあってもイライラってあんまりないですけどね。
濃厚赤血球輸血を大量に行うと、輸血パックに抗凝固剤としてはいっているクエン酸により血中カルシウム量が減少します。こうなると強烈に血圧低下します。
大量輸血しているのに低血圧が改善しないときはカルシウムのことも思い出してあげてください。
カルシウム製剤静注でみるみる改善します。
 
<AnionGap>
電解質の計算で
Na+量 - (HCO3-量 + Cl-量)
8 ~ 16
で求められる数字です。
体内の陽イオンと陰イオンは合わせたら±0になるはずです。
これで8-16という値がでるのは、この三つ以外のイオンによるものです。
AnionGapが増えたら、Mg+や乳酸とかが多いという意味です。
糖尿病性昏睡の原因であるケトン体が多い場合もあります。
結局これだけでは確実なことは言えないです。ほかのパラメーターと連動して原因を探すことになります。名探偵になったつもりで犯人を突き止めましょう。
 
 
 
<Lac>
Lactate=乳酸です。
細胞は生きるために糖を分解しエネルギーを作り続けなければなりません。
酸素があれば効率のよいエネルギー抽出ができるのですが(後期的解糖)、呼吸不全だったり、心不全だったりで、末梢(=末端)の細胞に十分血液が廻らないと、糖を無酸素で糖を分解してエネルギーをつくります(嫌気的解糖)します。需要があればクエン酸回路から説明しますが・・・学生の時はあれがなかなか覚えられなくてキライでした。
嫌気的解糖はエネルギー作成の効率がわるく、副産物として乳酸ができてしまいます。
この乳酸が血ガス上Lacの値としてでてきたり
AnionGap値を大きくしたり
HCO3-値を小さくしたり
BEをマイナスにもっていったり
します。
末梢循環不全なので、補液して循環血液量増やして、強心剤で心臓うごかしていく必要があるでしょう。
 
 
 
<COHb>
COHb カルボキシヘモグロビンです。
一酸化炭素中毒の時に高値になります。
一酸化炭素COはヘモグロビンとの吸着がつよく、なかなか離れません。
すると、酸素が正常に全身に運搬されないので呼吸しているけど呼吸困難という状況になります。
タバコにも含まれていて、喫煙レベルの指標にされることもあります。
 
 
<Glu>
血糖値です。
高血糖感染症などの合併症にかかりやすいので高血糖インスリンで治療されます。
 
 
 
 
なんか最後のほうやっつけになってしまった。
疲れたからあとは、質問あったら答えるってことで・・・
おだいじに~
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

<医療者むけ> 血ガスの読み方1 酸塩基平衡編

集中治療室で働く若手のスタッフから血ガスの読み方について相談をいただきました。
一般の方にはなじまない内容です。スルーでお願いします。
 
 
血ガスというのは、血液検査の一つです。主に動脈から採血し、その血液のpHやO2濃度、CO2濃度、電解質などを調べる検査です。
外来や病棟ではあまり行われませんが手術室や集中治療室では馴染みの検査機器です。
その患者さんがいまは大丈夫なのか?呼吸状態は安定しているのか?その他のまずい状態はあるか?
をしらべる検査です。
 
 
血ガスの正しい読み方、深い解釈などは本を読んで勉強してください。
かつて自分もそういった本で勉強してきました。
今回は集中治療室歴20年の私が普段チェックしている内容について書いておきます。
これが絶対正解なんて言うつもりはないですが、読み間違えでトラブルにもなっていません。参考にしてみてください。
 
 
<血ガスでわかること>
血ガスの項目は、測定機器でまちまちですが
pH
PCO2
PO2
HCO3-
BE
SaO2
Na+
K+
Cl-
Anion Gap
Glu
Cac
Lac
 
こんなところでしょうか。
血ガスの正しい読み方なんて存在しません。今あるデータをどう解釈するか?です
患者さんが元気に回復してくれればいいのです。
一例として私がみている順番に書いてみます。
 
 
 
 
多くの血ガス測定器で一番最初にでてくるとおもいます。
だから、ここからみてます。
pHのこと、覚えていますか?高校化学で出てきました。液体が酸性なのかアルカリ性なのかの指標で
強酸性がpH 1
アルカリ性がpH 14
どちらでもない中性が pH 7
なんて思い出しません?
アルカリ=塩基ですよ。
 
血液ガスではかるpHは当然、血液の酸塩基のレベルを示しています。
pH=7.4 が正常で範囲は7.35-7.45とされています。正常だとやや弱アルカリ性な中性です。
この正常範囲でホルモンなどが機能的に活動できます。
 
このpH 7.35-7.45を正常な基準値として
酸性に傾くとpH<7.3 でアシドーシス
アルカリ性に傾くと pH>7.5でアルカローシス
といいます。
 
アルカローシスの状態も良いわけではないですが、過剰に慌てる必要はないです。
アシドーシスの状態が続くのはヤバいです。
特に重度のアシドーシスを放置したら、いろんな調節物質が機能しなくなるので高率で死ぬんDeath。
 
 
pHはつまり
その患者さんの状態が安定しているのか?ヤバい状態なのか?
を見極める状態です。
生体はpH 7.4くらいで安定しています。
pHがこれより低い時はアシドーシス
pHがこれより高い時はアルカローシスと言います。
pHが7.3以下というのは、体になにかヤバいことがおきているということです。
 
 
いまヤバいってことがわかったら、治療したいじゃないですか。
どうやって治療しますか?
治療方針決めるためには、いま異常が起きている理由を探さなければなりません。
原因により対処法が違うので、いまこうなっている原因を知る必要があるのです。
 
 
<酸塩基平衡>
そもそもなんで酸性・アルカリ性になるのか?ですが
細胞というのは生きていくために細胞外へ酸性因子であるH+を放出しつづける必要があるのです。食べ物が腐ると酸っぱくなるのは細菌が活動しH+を放出しているからです。そのH+は血液循環で回収されて、腎臓でそのまま排出されたり、呼吸という形で体外に排出されたりします。
 
H+ + HCO3- ⇄ H2CO3 ⇄ H2O + CO2
 
覚えてますか? 試験のヤマでしたよね。いやでしょうけどもうちょっと付き合ってください。
この平衡の式で、血液内では上の5つの物質が一定のバランスになるように存在しています。H+が増えるとH+とHCO3-が結合して右の物質にかわり、水と二酸化炭素になります。
二酸化炭素の量は呼吸量できまります。
この平衡があるおかげで、私たちは呼吸することや尿をつくることで酸塩基平衡のバランスをとりpHを維持できるのです。
呼吸が止まったらすぐにアシドーシスになります。
腎不全で尿が出ない人もアシドーシスになります。
 
 
<呼吸性?代謝性?>
pHの管理は呼吸と腎臓で行っています。
そこでそこでアシドーシス・アルカローシスは
呼吸が原因でおこる
 呼吸性アシドーシス
 呼吸性アルカローシス
腎臓を含めた呼吸以外でおきる
 代謝性アシドーシス
 代謝性アルカローシス
の4種類に分類されるのです。
 
今のアシドーシスはどこから?
原因調べたくなってきたでしょ?
 
 
 
 <pCO2>
そこで次に見るべきものはpCO2です。
血液にとけている二酸化炭素の分圧の値です。
35-45くらいが正常でしょうか? 自発呼吸している人はほぼpCO2 40と言われています。
 
呼吸が過剰ならpCO2は減ります。
呼吸が少なければpCO2は増えます。
 
このときpCO2 > 50 とかだったら、呼吸が足りません。呼吸不全です。
(50mmHgという基準があるわけではありません。COPDの人だとこれが標準だったりします。)
呼吸性アシドーシスである可能性が高いです。
人工呼吸 ・ 補助呼吸を検討するべきです。
 
すでに人工呼吸をしている状態でpCO2 > 50は呼吸が不十分です。
分時換気量を増やすことを検討しましょう。
逆にpCO2<30のときは過換気気味なので、逆に分時換気量を減らしてみてはいかがでしょう。
 
呼吸器の設定のところも参考にしてください。

 

www.yorozusoudan.com

 

 
CO2が正常値なのにアシドーシスなときは?
 
 
<HCO3-> 
HCO3は重炭酸イオンです。
 
H+ + HCO3- ⇄ H2CO3 ⇄ H2O + CO2
 
再び式がでてきました。
重炭酸はH+とくっつくことでH+を水にかえます。水に変われば中性です。
突発的にH+が増えても急にアシドーシスになって破綻しないのは、重炭酸がいるからです。
pHの変化はそれほど生体にはダメージをあたえるので、変化の衝撃を抑えるため、緩衝剤として存在しています。
22 < HCO3- < 26
正常値は24 ± 2。これが少ないときは、H+が多くて緩衝のためにおおく消費されたんだ・・・と理解してください。
つまり、見た目pHは正常でも、それは緩衝剤がダメージ抑えていてくれているわけで放置してたら破綻する可能性はあるということです。これが異常に低いときは隠れアシドーシスの原因をさがしましょう。ここで呼吸のCO2が問題なければ代謝性なんだな・・・と想像できます。
腎不全ならば透析を考えていいとおもいます。
多くの場合循環血液量の減少で抹消循環不全がおきていることがおおいです。
 
BEというのはBase Excessといい、
緩衝剤が適正値からどれだけはなれているか?の指標です。
‐3 < BE < +3
正常値は0± 3
がだいたい正常でーに進めば代謝性アシドーシスです。
HCO3-かBEかどちらか好きなほうで代謝性アシドーシスを見抜ければよいでしょう。
 
 
 
長くなるのでその2に続く
 
 

なるべく病院行かない方法 3 花粉症

そろそろ桜です。
桜といえば春
春といえば花粉症

 


花粉症の人たちには辛い季節がやってきました。かくいう自分も30年くらい前からわずらっており、春が一番嫌いでした。


が、最近は少し症状が緩和したかしら
人は今年も花粉もひどいというので、花粉が減ったとかじゃなさそう。


年齢で免疫が落ちてきたからかしら?なんて、嬉しいような悲しいような。

 


というわけで、今回は花粉症です。


<免疫>
花粉症とは花粉に対するアレルギーです。
体には免疫システムがあります。体を異物から守るメカニズムで、ウイルスや細菌など、異物が体内に入ってきたらそれを無効化して排除しようとする構造があるのです。これがあるから、普段我々は健康でいられるし、風邪をひいてもだいたい数日でもとに戻るのです。ちなみに、風邪薬と呼ばれるものは、熱やら痛みやら症状にをなくしてるだけで、根本てきには治せません。病気はあくまで自分の体で治すものです。病気の時は御自愛くださいませ。


<アレルギー>
この免疫がやりすぎに働いているのがアレルギーです。花粉なんて人体には無害なのに、免疫防御システムが反応しちゃうんですね。
外敵とみなされた花粉が目に触れれば、体に「異物が来たよ」シグナルをだします。これが目の痒み。
そして、それを洗い流すべく、涙を通常より多く流します。
花粉が鼻の粘膜に触れれば、クシャミを発動して花粉を追い出し、鼻水増やして吸着させようとします。鼻詰まりを起こし、肺に花粉が入らないようにします。
こういった症状は、免疫細胞に準備されているヒスタミンが、花粉に反応して出てくることで起こります。
体を守るためのシステムが花粉に過剰反応して嫌な症状がでてしまうのがアレルギーなのです。

 


<アレルギーの歴史(?)>
昭和初期には花粉症なんて言葉はありませんでした。昭和の終わりあたりから猛威をふるっています。
花粉症といえばスギ花粉で、当時は林業が計画的ではないから花粉が大量発生してこうなってるなんて聞いたことあります。が、30年たっても変わらないところを見ると、林業が整っても、花粉症は続くでしょう。その30年前はスギ花粉ばかり言われてましたが、いまは春の杉花粉、秋のブタクサ、年中ハウスダスト。食物アレルギーもおおくあります。
アレルギーがふえてきたのは、衛生状態がよくなって、免疫が活躍する場がなくなったからなんて説もあります。

 


<治療>
花粉に対するアレルギーなので、花粉に近づかないことが大事です。
花粉は屋外にたっぷりいるので、外出は避けるべきです。
外出中は花粉症ゴーグルやマスクは有効です。
衣類にいっぱい花粉がついているので、外出用の服でそのまま室内をすごすと、家の仲間で花粉でいっぱいになり、くしゃみに悩まされることでしょう。
帰宅したら外出用の服はなるべく玄関付近で着替えてしまってしまうのが理想です。


それでも駄目ならお薬の出番です。
アレルギーの目薬や鼻薬は花粉を洗い流すのでとても有効です。
同時に、抗ヒスタミン薬も入っているので症状は速やかに収まるでしょう。
つづいて内服薬ですが、薬局でも扱ってるアレグラとかアレジオンとか、そういう抗ヒスタミン薬が処方されます。
ヒスタミンは、体を起こすシグナルでもあるので、抗ヒスタミン薬を飲むとある程度眠くなります。
花粉症に効果がある薬は眠くなる。
眠くならない薬は効果が薄い。
そういうものです。

Amazonで調べたらアレグラが14日分で1400円ほど

 

【第2類医薬品】アレグラFX 28錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

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  • 発売日: 2012/11/01
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品
 

 

 

【第2類医薬品】アレジオン20 24錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

【第2類医薬品】アレジオン20 24錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

  • 発売日: 2019/01/08
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品
 

 

 

これが診察すると、たいした検査されずに同じ薬を処方されて、

再診料600円と薬が1000円くらいで28日分出されます。

オトナの事情というか、医師会の事情でまだこの価格差があり、診察を受けたほうが安いのですが、長い待ち時間や風邪やコロナをうつされることを考えたら、とりあえず薬局で抗ヒスタミン薬や目薬買うのがいいのではないかと思われます。


以前はステロイド注射というのもありましたが、最近はあまり話題にならなくなりました。ステロイドの副作用が目立つからと聞いたことがありますが、詳しいことは知りません。あしからず。

 


医者にかからないを提案するブログとして一つ提案します。

かなり民間療法的ですが
目の周りや鼻の下などにメンソレータムなどの軟膏ぬると、花粉がいくらかはそこに付着してくれて症状が軽くなると聞き、やってみたらだいぶ症状治りました。
安上がりで有効かと存じます。お試しあれ。


おだいじに〜

 

 

 

 

 

 


 

動脈瘤と静脈瘤 3

動脈瘤でもう一つ
厳密には瘤ではないのですが・・・
解離姓大動脈というのがあります。

最近だったら7つボールを集めるアニメの声優さんとかがこの病気で突然死していて、だいぶ話題になっていました。
 
<病態>
血管は動脈・静脈とも外膜・中膜・内膜の三層構造になっております。
外膜は周りの組織からの固定の役目があり
中膜は血圧に耐えるために丈夫にできていて
内膜は内皮細胞などで覆われており、血管の内側のコーティング
となっています。
 
中膜に亀裂が入り、ビリビリビリっと三層構造が壊れてしまった状態です。
くっついているはずの3層が剥がれてしまった状態なので大動脈解離と言います。
 
これはなんの前触れもなく、突然発症します。
歩いていた、座っていた、寝ていた、様々です。外傷(交通事故などでつよい衝撃がかかる)などで起きることもあります。亀裂がはいったらいっきにビリビリビリっと解離がすすみます。血管の壁が圧力で避けていくものなので、瞬間的に来ます。
 
<症状>
胸背部に激痛が走ります。
いてもたってもいられなくなる痛みです。たまーに症状がかるく、あとから発見される人もいます。たまにです。
 
 
<病態>
動脈が解離するとなにが問題でしょうか?
血圧に耐えるべきもっとも丈夫な組織がビリビリとさけてしまった状態です。耐圧板が一部剥がれてしまったわけです。動脈の壁が薄くなった状態ですから、そこが破れて大量出血しやすいです。体外に出血するわけではないですが、血液は体内にあってナンボです。体内にあっても出血は出血で、出血多量なら死にます。
血管は全身の臓器に血液を流すべく、多種枝分かれしていますが、ペラペラした避けた内幕の一部が血管の枝分かれの入口を塞いでしまうことがあります。入口をふたされると、その枝には血液が流れなくなるので、臓器不全でいろいろ障害が出ます。
破裂と虚血がでやすい、死亡率がとても高い病気なのです。
 
<種類と治療>
心臓と脳までの分岐におきた大動脈解離と、脳分岐よりあとにおきた大動脈解離で大きく分類されます。
前者をStanford A型
後者をStanford B型
と分類します。ほかの分類のしかたもあります。DeBakey(ドベーキー)分類と言います。調べてみてください。
AもBも破裂してたら緊急手術ですが、生存率は極めて低いです。手術にまでたどり着けないこともあります。
未破裂の場合、
A型は心臓と脳に障害がでやすいので、ほぼ緊急手術になります。人工血管置換術です。
B型はA型にくらべたら死亡率は低いです。まずは降圧安静療法が基本です。解離は血管の山火事みたいなもので、下手に手を出さないで鎮火をまったほうがよいです。臓器虚血が出た場合はそれに応じた手術となります。
 
死亡率は高いですが、急性期を乗り切ったら比較的安定しています。
解離がそのまま残ることもあります。避けたままでも血流を流すという機能が維持できる限りは問題ありません。正しく状態、もとの状態に戻すことがよい治療とは限りません。生存率を高め、合併症率をへらす治療がもっともよい治療です。
 

とはいえ、残存した解離は数年かけて徐々におおきくなって来ます。太くなると瘤と呼ばれます。
解離が直接の原因の瘤を、解離性大動脈瘤と言います。
瘤化して大きくなり、瘤破裂のリスクが、手術合併症のリスクより高まったら手術が検討されます。開胸開腹して人工血管置換術する従来の外科治療と、ステントグラフト内挿術という、比較的低侵襲な治療の2種類あります。
もしそんな病気に直面したら、主治医の話をよく聞いて方針を決定知てください。
 
こんな病気ならないのが一番いいに決まってます。
予防は塩分原料・禁煙等、いつものやつです。
これさえ飲んでいれば大丈夫! とか言う商品はすくなくとも現在は存在しません。
 
最近こういうオチばかりで恐縮ですが、そういうものなのです。
がんばりましょう
 
おだいじに~
 
 
 
 
 

 

 
 

動脈瘤と静脈瘤 2

前回動脈瘤と静脈瘤タイトルなのに、静脈瘤がないとお叱りを受けました。
よって今回は静脈瘤の話です。
 
静脈瘤とは静脈に出来た瘤、コブのことです。
 
みなさん、血液検査したことありますよね。
あの針は静脈に挿しています。
採血おわって数秒押さえていれば出血は止まるくらいです。静脈の病気でおおごとになることはほとんどありません。
話がそれますが、採血したり予防接種したりしたら、当日は風呂入れないとかは過去の話です。針穴からバイキンはいるとか、ほとんどありえません。
 
静脈系にトラブルが少ない理由は、圧力が低いからです。
動脈系とちがって静脈系は圧力が低いです。静脈にかかる圧は動脈の1/10程度もありません。
その代わり、静脈は高圧に対する耐性がないので、血液の渋滞が起きたりして静脈圧が高くなるとすぐに静脈瘤ができます。
 
 
静脈瘤といえば
食道静脈瘤
が有名です。
 
<食道静脈瘤>
食道静脈瘤は食道と胃の接合部に静脈瘤ができる病気ですが、
これは肝臓の病気、肝硬変によっておきるものです。
アルコール性肝炎などにより肝硬変がおき、肝臓内を静脈血が通過しにくくなるため、迂回路として食道付近の静脈に血流が集まります。すると血液が渋滞を起こし圧力が高まり、血管がモコモコして静脈瘤ができてしまうのです。ここで硬いものを食べたりすると食道静脈瘤にひっかかって出血したりします。こうなると血が止まらなくなって大変なのですが、それはそもそも肝臓の病気のせいです。食道静脈瘤が出来ているレベルの人は、すでになにかしら肝臓の専門医にかかっていると思うので、そちらで話を聞いてみてください。健康診断で肝機能異常で引っかからなかった人や、検査値が以上でも「たいしたことない」と医者に告げられたような人が食道静脈瘤になるはずないです。肝臓の病気については需要があったらそのうち・・・。
 
 
<下肢静脈瘤のでき方>
多くの人にとって静脈瘤と行ったら下肢静脈瘤でしょう。
足にできる、紫のモコモコです。
 
クイズです。
血液は心臓から全身に送られ、そしてまた心臓に戻ってきます。
この時、頭に行った血液は重力で心臓にもどってくると容易に想像できますが、
じゃぁ足に送られた血液はどうやって心臓に戻ってくるのでしょう?
 
時間は5行間
ちっ
ちっ
ちっ
ちっ
ちっ
はい行間切れ
 
普通そんなこと考える人はいません。知らないのが普通です。
足の静脈は筋肉の間に挟まっています。歩いたりして、筋肉が収縮すると、静脈が潰され、そこにあった血液がいくらか心臓の方へ登っていきます。足の筋肉が緩むと、血液がおちてきてしまうので、それでは困るからと、静脈には心臓同様逆流防止弁がついています。
これのおかげで足の血液は歩くたびにちょっとずつ心臓へ戻っていくのです。
 
ここで、立ち仕事の人。料理人や学校の先生などの立ち仕事の人たちは、立ったままでたいへんな仕事をなさってますが、"歩く"という作業がないので、"血液を心臓に戻すメカニズム"が機能せず、なかなか心臓まで血液が登っていけません。それでも次から次へと心臓から足に血液は送られてくるので、足の静脈は血液で渋滞、パンパンになります。圧力がかかった静脈は徐々に拡張します。静脈の逆流防止弁のところが拡張すると、逆流防止弁の機能が壊れてしまい増す。逆流防止弁が機能しないとこのあとせっせと歩いても、血液がなかなか心臓にもどってくれません。
立った状態では常に下肢静脈の圧が高くなるので、血管はモコモコ。静脈瘤のもとが完成します。あとは10年20年30年かけてゆっくり大きく目立つようになります。
 
立ち仕事の他に、妊娠でも静脈瘤の原因が作られることがあります。
妊娠末期になると子宮が大きく重くなってきます。仰向けに寝たとき、その子宮がお腹のなかの静脈を圧迫してしまい、血流がそこで滞ってしまいます。
すると、下肢の静脈圧が高まり、逆流防止弁がこわれ・・・出産後10年20年かけてゆっくりと目立つ静脈瘤が出てくるのです。
 
 
<静脈瘤の特徴・症状>
最初はクモの巣状とよばれる、細い細かい静脈瘤から始まって、徐々に太くモコモコが出てきます。
見た目はちょっと怖い病気っぽいですが、所詮血管が膨れただけです。
血液が溜まっているだけでの状態なので、特に治療は不要です。モコモコしていても、血液が循環している状態なら、体にはなんら悪影響無いからです。
この程度の静脈瘤だと治しにくいという側面もありますが。
 
 
たまに、静脈瘤のでき方で、同じ場所にずっと血液がとどまってしまうことがあり、血栓ができて押すと痛かったり、皮膚炎が出たりします。
皮膚炎は静脈瘤の部分が痒いから始まって、ボリボリかいていると皮膚が褐色になり、これを放置すると皮膚がただれてきます。皮膚が褐色になるくらいには手術を勧めます。
逆に言うと、静脈瘤の皮膚が褐色になるくらいまでは放置でいいです。静脈瘤の人がみなこうなるわけではないですし。
 
静脈に血栓ができたら肺に飛んでって危険・・・なのは深部静脈血栓症です。これは足全体が左右差を持って非常にぶっとくなります。表在静脈のトラブルである下肢静脈瘤と肺梗塞は基本的に関係ないでしょう。深部静脈血栓症はまた別の機会に。
 
その他静脈瘤の症状として
足がむくむ、ふくらはぎがだるい、足がつる、不快感などがあります。
ただ、関節の痛みだったり筋肉疲労だったりして、静脈瘤が原因じゃないこともあり、静脈瘤手術をしても治らない可能性があることは知っておいたほうがいいでしょう。
 
<手術適応>
皮膚炎がでたなら、医者の方から手術を強く勧められると思います。
逆に皮膚炎などの症状がなければ別に手術しなくても大丈夫です。静脈瘤として悪化はしますが、命をもっていかれたり、足を切断するはめにはならないです。低圧の静脈ですから。
下肢の静脈瘤がやぶけて出血したって、それだけです。動脈瘤破裂のようにはなりません。
「こんなモコモコじゃ、スカート履けないわぁ」等の美容目的は手術の適応になります。
「わしゃ見た目なんかどうでもいいんじゃい」という人は、どんなに立派な静脈瘤でも、皮膚炎が出ない限りは無理して手術する必要無いです。昔そうとう大きな静脈瘤をもったままマラソンに励むかたにあったこともあります。アマチュアとしていいタイムを出していたそうです。
 
 
<治療>
静脈瘤は壊れた逆流防止弁のせいで徐々に目立つようになっていきます。
ゆえに、その壊れた逆流防止弁のある静脈に血液が流れなくなればいいのです。
手術しないでなんとかする方法、それは弾性ストッキング(圧着靴下)を履くことです。このストッキングはパンティストッキング型、ハイソックス型ありますが、大事なことは足先から太もも付け根までしめつけて、静脈を潰してしまうことです。
皮膚炎がでてしまった人でも、まずは弾性ストッキングをはいて1-2ヶ月様子をみて、きれいになってから手術をします。それくらい弾性ストッキングは有効です。
手術いらずで素晴らしい方法ですが・・・脱いだらもとに戻ります。履きにくい、夏はムレるが難点です。半年くらいで弾性ストッキングはタンスの肥やしになる傾向にあります。
 
外科的治療としては
従来のメスを使う手術と
最近のレーザーを使う手術があります。
太もものだめな血管を引っこ抜く外科手術と、同じ血管をレーザーで焼き切るレーザー治療です。
外科手術は麻酔をきっちり使うことがおおく入院が必要でしょう。レーザーは局所麻酔だけでやることがおおく、日帰りでやる施設が多いです。
両方とも根治できます。どっちが優秀というものではないので、両者をよく調べて気に入ったほうで治療すればよいと思います。効果の高いレーザー治療は現時点では自由診療で、20万円とか高かったりするので気をつけて。
 
その他、静脈瘤に薬を注射して潰す硬化療法というものもあります。こちらは外来でできる手軽な治療ですが、根治術ではないので時間をかけて再発します。血管から薬が漏れると激痛などのトラブルがあるのも気をつけてください。
 
 
おだいじに~