Online よろず相談所

アラ50の医師が ゆるい説明しています

皮膚の病気

冷え性のときと同じ方から頂いたテーマです。
画像を見せてもらったわけではないのですが、皮膚がしもやけのようになっているということで、先に冷え性について話書きました。
 
今回は専門外の私が皮膚の病気で考えていることを書きます。
学生の時の知識しか持ち合わせてませんけど、なんか役に立つこともあるかもしれません。
現在皮膚科に行っている人は、先生の説明をちゃんと聞くように。
成長期のホクロがある人も皮膚科受診おすすめします。いつものホクロは大丈夫。どんどん大きくなっている気がするほくろは皮膚科へGo !
 
 
とりあえずの皮膚の症状には、保湿してみましょう。
 
皮膚の浅いところを表皮といい、一番下の基底層というところで細胞が生まれ、その細胞が徐々に表面にせり上がってきて、垢となっておちていきます。そうやって再生されていくもので、これをターンオーバーと言います。28日で入れ替わります。このシステムのおかげで多くの皮膚の症状は治ります。
しかし皮膚が乾燥していると、治ろうとする細胞が乾燥し機能がおち、治るものも治らなくなってしまいます。
その他紫外線もよろしくないです。紫外線は皮膚を透過して基底層の細胞核を壊してしまうから再生力がおちてしまいます。治療中は特に紫外線を抑える工夫もしましょう。
 
 
もちろん皮膚科にかかればいいことなのですが、ちょっと忙しくしてて・・・なんてこともあるはず。
そういう時はとりあえずワセリンやハンドクリームで保湿し、紫外線をブロックしてみることをおすすめします。
これで治らない皮膚疾患は多々あります。その時は皮膚科へGo !
 
 

モノがなくてもできるコロナ対策

薬局からマスクが消え
ダフ屋もびっくりの消毒液の高騰

 


手に入れられなかった人は感染するしかないのか?


そんなことはありません。
マスクも消毒液も、料理でいったら付け合せ。
メインディッシュは手洗いとうがいです。


手洗いとうがいの薬も売ってない?
大丈夫。薬なんて箸休めです。
あったほうがいいけど、無くたってなんにも問題ない。

 


細菌・ウイルスの感染では、細菌・ウイルスもある程度まとまった量がいないと感染能力が低いです。
少量の細菌・ウイルスを確実に0にすることはなかなか難しいですが、1回の洗浄でウイルスは1万分の1になるといわれており、3-4回も洗浄したら、かろうじて残った細菌・ウイルスにはほぼ感染力はありません。一般の人はこれだけやれば十分。
手術を受ける人は、身体を切られることで皮膚や粘膜という最強の防御壁が破られるのが感染の原因です。喉が乾燥しちゃっている人は粘膜防御が機能していないから感染するのです。


手洗い、うがいに加えて水分を十分とっておくのが最低条件で、
これが不十分なのに消毒液やマスクをつかっても効果がないとも言えます。
実際私達家族は、マスクもしないし薬も一切飲みませんが、この数年インフルエンザにはかかってません。

 

 

まずは手洗いです。手洗いは超大事です。
ペロッと指や爪をなめる習慣のある人いませんか?
オヤツをポリポリ口に運ぶのも手です。
インフルエンザやコロナは飛沫感染ですが、手は風邪やウイルス感染に大きく影響します。


どの石鹸がいいか?
石鹸ならなんでも良いと思いますし、石鹸も品切れになってしまったら水の手洗いでもよいと思います。
むしろ、石鹸をつかった不十分な手洗いより、石鹸を使わなくても十分な手洗いをしたほうが効果があります。


その手の洗い方ですが
外科医の手洗いはいかがでしょう?


指は一本一本ねじり洗い。付け根まで十分汚れを落とします。関節のシワには細菌が溜まりやすいのでそこも念入りに。

爪先を反対の手のひらにあててゴシゴシ手のひら、手の関節ゴシゴシ
肘までゴシゴシ


ポイントは指先を肘より高い位置にして、肘の雫が指先にたれてこないようにすることです。
これが一回目。


2回目も同様
指・手・肘の手前まで


3回目
指と手


ダメ出しの4回目
指と手


これを清潔な滅菌ガーゼ...もといタオルで拭き取っておしまい。
手術室へ移動しましょう(うそ)。
プロの外科がやる方法でとても洗浄力高いです。
滅菌ガーゼなんかいらないですが、手洗いタオルは毎日取り替えるくらいが必要です。


この方法の難点は、床がびしょびしょになることです。家でやったら怒られるやつです。
https://family.saraya.com/tearai/index.html
このホームページにいいイラストが載ってました。この会社は病院に消毒液とかおろしている会社ですが、ステマじゃないです。デマも流していません。
 

 
f:id:YOROZUSOUDAN:20200301151006p:plain
 
 
次にうがい。
イソジンうがい液はかつては定番でしたが、イソジンを使うべきか否かは議論が分かれるところです。
イソジンには強力な殺菌効果がありますが、同時に喉の粘膜の細胞を傷つけてしまいます。
敵をやっつけたはいいけど、城壁も崩れてしまって、次の敵が侵入しやすくなるというわけです。
 
このブログはなるべくお金をかけずに最大の健康効果を求めるのがテーマです。
さっき決まりました。
 
なのでここは水道水でうがいしましょう。
歯磨きのあとのうがいとは違って、咽頭(のどちんこ)あたりの洗浄が目的なので、ちゃんと奥までうがいしましょう。
回数に決まりはありませんが、手術のときなど医者は3回は消毒する傾向があるので、ここは3回以上と決めましょう。
 
うがいが苦手の人は飲んじゃいましょう。
うがいなんかマメにしなくても、こまめに水を飲む(15分ごとくらい)で十分効果あリます。
胃に入ったウイルスは胃酸で消化されます。そのための胃酸ですから。
 
 
これで無用な外出しなければ、コロナに感染する可能性は間違いなく減ります。
一番効果的な方法とは、多くの場合地味な作業の繰り返しです。
 
 
変なデマに騙されて後悔・散財しませんように。
 

冷え性でお困りの人に

冷え性でしもやけみたいになっていて困っている
 
という相談いただきました。
質問有難うございます。
 
 
 
冷え性にもいろいろあるんですが、多くの人がなりやすいパターンとその対処法をお話します。
試してみてください。
 
 
なんで冷え性が起こるのか?
 
寒いからです。
 
寒いと体温が奪われます。
ご存知哺乳類は恒温動物(こうおんどうぶつ)といって、常時体温が36-37度になるように調節されています。
血液循環のおかげで全身どこでもほぼ一定の温度になっています。
 
寒さで体温が奪われると身体が感じると、身体をあたためて体温を維持しようとします。
服を着たり、身体をこすったりはだれでもしますよね。
もっと寒かったりすると筋肉にブルブル運動させて熱を生み出させようとします。"凍える"動作がそれですね。
でも、だんだん寒さになれてきて、気持ちは寒くはない、でも体温を維持しにくくなる。
 
熱はどこから逃げていくか? 体の表面=体表です。全身の皮膚から出ていってしまいます。
なるべく体温を奪われたくない身体は、手足の先端などに血液がいかないようにします。
 
動物は頭や胴体にある内蔵が壊れると生存が難しくなります。
逆に言うと、頭や胴体があれば"生きていられる"のです。手足は無くても"生きていられる"のです。
"ほかを犠牲にしても頭と胴体だけは守ってなんとか生き抜く" そうプログラムされているのが動物です。
 
体温が奪われていくと、トカゲのしっぽ切りの用に、手足への血流を減らし、体温低下を防ごうとします。
酸素も栄養も血流にのって届けられるので、血流少ない時間が長くなった手足は冷感や痛み、肌荒れ、感覚異常が出て来るというわけです。
 
手袋や靴下履いているのに改善しないのは、頭と体幹が冷えていて、手足の血流が減らされたままのことがあります。
 
 
冷え性に悩む人はぜひ頭と体幹を温める工夫を知てください。
運動したり筋トレして筋力高めるのも効果的。熱は筋肉で作られますから。
それでも治らなかったら近所の医者に相談 !
 
 

コロナウイルス感染とディズニーランドやUSJの休園をみて思うこと

小中学校が休校になったとおもったら
とうとうディズニーランドまで休園になってしまいました。
 
 
私は公衆衛生の専門家じゃないし
感染症について多くを語る知識はないです。無責任なネタです。読み流してください。
 
しかし今回は過剰に大騒ぎしているなと感じます。
 
私としては、コロナ騒ぎは春になって暖かくなったら終わっちゃうものだと思っています。例の豪華客船の隔離がおわって人々が開放され、ちらほら感染者があらわれ、数人の死亡者も出ています。
 
でも、それってインフルエンザ感染と同じです。
インフルエンザは毎年数100万以上が感染し、1万人が死亡しています。
それにくらべたらコロナの猛威も大したことなさげ。
中国で大人数が死んでいるのは、発症者をそれぞれ隔離して丁寧に治療する環境が整ってないからだと思います。その証拠に日本での死亡者はまだまだわずか。
 
インフルエンザ並の死亡率で終われば、コロナの有害性はインフルエンザと同じといえます。
インフルエンザに対する驚異くらいで考えていいんじゃないかと思います。
 
どうせ数年以内にワクチンやタミフルのようなコロナを速攻でやっつけるような薬が開発されることでしょうし、鳥インフルエンザのときとかSIRSのときのような、そんなこともあったねぇとなるかと予想します。
 
手洗いうがいを徹底し
水分を多くとって
加湿して
身体を暖かくして
バランスの良い健康的な食事をとり
運動をする
 
ことが免疫力を高める基本で、これをやり、人混みの中にいかなければインフルエンザと同様の経過をたどるでしょう。実際日本ではコロナウイルス対策のおかげでインフルエンザ発症数も減ってます。
マスクに予防効果はないですが、鼻や口が加湿されることと、自分が感染していたときの拡散予防は利点だと思いますが、買い占めして在庫がなくなるまでして必要かと考えるとそれは過剰だと思います。
私は品薄というのもあり、職場以外ではマスクしてません。
マスクがないと外に出られないと心配する人は、自宅にいながら収入を得たり、ネットショップから宅配してもらったりと、家に出ないで生活する方法を模索するほうが、あとあといいことがありそうです。
 
 
 
 
なんでこんなに大騒ぎなのかといえば
政府の責任のある立場、マスコミという正しい情報を伝える立場にある人達は
現状報告に対して、オーバー気味に言います。
そもそも、無害な情報なんてぜんぜん流行しません。マスコミはその伝達力を高めようとショッキングな情報を強調しがち。感染者の殆どが元気に復活しているのに、その報道はほとんどなく、どれだけ感染が広がったとか、高齢者がなくなったとか。体力的弱者がインフルエンザでなくなることは毎年のことで、これは生物として自然の摂理。それを危険だと報道するのはやりすぎじゃないかしらと思います。
 
マスコミは情報を受け取ってもらって収入が発生する業界なので、人が興味を引くようなネタを常にさがしており、そのネタが成功者や権威者の失敗だったり、ショッキングなネタは絶好の収入源です。
健康番組とかが多くあるのもそのためでしょうし。身体がギクシャクし始める年齢人が視聴者としておおいことの裏付けです。
 
そして予備知識のない一般人は、ショッキングなところだけ覚えているものです。学校の講義をきいてもごく一部しか記憶に残ってないように、テレビで一番印象深く報道されたことのみが記憶され、それらが自己解釈でつながってパニック状態になってる。
 
最近ではマスクだけじゃなくトイレットペーパーの買い占めも始まっているようで、オイルショックかよと。歴史の教科書で、オイルショックのときにトイレットペーパーを買い占めようとしていた昭和の人たちのことが書かれていますが、数年後はコロナショックでマスクを買い占めようとしている令和の人たちは滑稽に映ることでしょう。どちらも過剰情報の鵜呑みで起きたことです。
 
 
 
品切れのマスクがなくて不安に悩まされるより
手洗い・うがいを徹底して
水分とって
お家にいて暖かくしているのがいいですよ。

循環停止のときのラボナールとラジカット

質問いただきました。
 
弓部置換手術時などの循環停止操作をするとき、多くの施設で選択的脳分離保護循環をすると思います。
 
なにそれ?
という方で興味のある方は質問ください。1から説明すると膨大で的を得なくなるので需要があったらその都度書いていくシステム。
 
それと、手術術式というのは、この一つの方法でなければならないというものはありません。
多くの手技で似通ってますが、細かなことが施設ごとに異なっています。
 
同じすき焼きでも関東風・関西風あるように
弓部置換のときの術式や手順、使用する薬剤は施設ごとに違うものです。
 
すき焼きは美味しければいい、食べて満足できればいい
と同様に
手術は、治療を受けた患者さんが満足に退院できればそれがすべてです。
生存率的や合併症罹患率に有意差がないものは採用しても採用しなくても同じ確率の結果が得られると考えます。どっちをとってもいいのです。
 
 
というのは前置きに。やっと循環停止中に使う薬の話です。
ラボナールは麻酔薬です。多くの麻酔薬に脳保護作用があると言われています。
ラジカットは脳保護剤です。脳虚血のときに発生するフリーラジカルを抑えることで脳保護します。
 
 
弓部大動脈手術の時はこの血管の形状のため、人工心肺にて低体温を作ります。温度は28度が目安で、もっと低体温を作る施設もあります。
そして低体温となったとき、脳を含めた全身の細胞は冬眠状態になるので、ここで循環停止をつくり、大動脈弓部を切開し手術していきます。
 
この時、低酸素により弱い脳を保護しようと、脳にだけ血液を流すシステムがあり、多くの施設でこれを使います。脳分離保護回路と言います。
この脳分離保護回路にラボナールやらラジカットを使う施設があります。
 
ラボナールに限らず、麻酔薬全般に脳虚血に対する脳保護作用があるとされています。
循環停止中は、細胞が冬眠状態で活動が抑えられているけど、それでもいくらかのダメージがあるだろう。これを抑えるために脳保護回路使うけど、さらに保護できる薬いっとこう。そういう感じで使われている薬です。
 
なので、施設によってまちまち。
私の病院では脳保護中もプロポフォールとラジカットを流しているようです。
どの薬が良いか?は執刀チームの好みで考えてもらってよいと思います。
 

人工呼吸の考え方 5 A/C SIMV Spont

長くなてそろそろ終わってしまいたい呼吸器シリーズ
一般の方の質問がどんどん遠ざかるのを実感中。
 
 
ここまで
酸素の調節:                    FiO2 PEEP
二酸化炭素の調節:         MV = Tv x RR
一回換気量(Tv)の調節     VC PC
 
までやってきました。
これらは実際呼吸させるときのパラメーターです。
 
この設定をどのように運用させるか?
どんなプログラムで呼吸させるか?
というのが今日のお話。
 
 
そんな呼吸器モード
Assist / Control (A/C)
SIMV
Spont
 
が今日のお題です。
 
患者さんが自分で呼吸出来ない状態の時は
A/CもSIMVも同じです。
決められた回数、決められた容量の呼吸を続けて行きます。
 
ちなみに1分間に10回の呼吸だと、
60秒 ÷ 10回 = 6秒ごと
の呼吸になります。
 
この設定だと1回呼吸が始まったら、その6秒後まで呼吸器はまち、その間患者さんの自発呼吸がなかったら設定呼吸を行います。
 
ここで自発呼吸があったら
A/Cモードの時は設定通りの換気1回をし、また6秒まちます。
SIMVモードの時はPS (プレッシャーサポート)で設定された圧力をかけ、補助呼吸としますが、先の強制換気6秒後に新たに強制換気します。
 
A/Cモードの場合は、患者の自発呼吸に同調して設定どおりのフル呼吸をするのに対し
SIMVモードの場合は、最低回数の呼吸は保証して、あとは自発呼吸を促していく
というイメージでしょうか。
 
SpontというのはSpontaneous(自発)という意味で、挿管されているけど機械は呼吸を手伝ってない状態です。
CPAPと呼ばれることもあり、これはPEEPだけがかかっている状態。PEEP 5mmHgくらいのCPAPモードで安定していられるなら呼吸器離脱はほぼ可能でしょう。
CPAPはPEEPだけを設定していますが、吸気のときにちょっと手伝う、PS(Pressure Support)つけて管理をすることもあります。
 
 
使い分けですが
全身麻酔などで完全に呼吸を人工呼吸器に依存した状態から、
覚醒して自発呼吸がでて、呼吸器から離脱していくのが目的になります。
 
最初は呼吸がないので
A/C でも SIMVでもどちらでもいいです。
手術室の呼吸器は、手術中は自発呼吸を止めるのが基本ですから、
SIMVモードはついてないことが多いです。
(最新の機種はいろいろオプションがついてます。
 
次に覚醒してきて自発呼吸を始めるけどまだ不十分となりますので、
最低呼吸を促し、自発呼吸を補助するSIMV (+PS)に切り替えます。
覚醒度合いに合わせてSIMVモードの呼吸回数を減らしていき、最終的にはSpontにします。
 
Spontで十分やっていけてれば
あとは覚醒度合いと照らし合わせて抜管と。
 
 
これが大まかな流れになるでしょう。
くどいですが、患者さんが元気になっていく方法が正解であり、その方法にはいろいろあります。担当医のこだわりとかもあるし。
 
どうやったら呼吸器離脱できるのか?
ですが私は
Spont モード
FiO2 0.5
PS 10
Peep 5
で呼吸が成り立っていて、血ガスが狂ってなかったら抜きです。
抜管したあとでも補助呼吸する手段はありますし、必要なら躊躇なく再挿管します。
再挿管はいいイメージは確かにないですが、必要とあらば躊躇しないで再挿管することはとても大事です。
 
この値を抜管基準にしているのは
FiO2 0.5は酸素マスクでなんとか出せる濃度
PEEP 5は咽頭や気道の形で自ずとかかると言われている圧
PSは挿管チューブや蛇管を空気が徹ときにの抵抗分を補うためにかけています。
 
むかしは呼吸器外してTチューブとかやりましたが、あれは患者さんにはよっぽど負担であるとしってからやらなくなりました。PS 0まで落とさないのも同様の理由です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

人工呼吸の考え方4 VC PC

 

呼吸器の感が方 VCとPCです。
よく試験に出るところです。学生さんは気をつけて。
 
前回人工呼吸器3では、人工呼吸器の設定には分時換気量(MV)の設定が大事で、
このMVの設定のために、一回換気量(TV)と呼吸回数(RR)をそれぞれ設定するんでした。
 
呼吸回数はすぐに分かると思います。
単純に1分間あたり、何回"呼吸"するかですから。
 
一回換気量は500mlとか600mlとかという値です。
なのでそれをそのまんま設定するのが
従量式換気: Volume Control Ventilation: VCです。
シンプルです。設定しやすいです。
 
この設定の最大のメリットは設定がわかりやすいことと、ちゃんと機械が呼吸させるという点。
この呼吸モードが使えていれば、相方は知らなくても無問題レベル。
 
デメリットがあります。肺が重い、硬い、片肺挿管になっている、痰づまりで無気肺ができているような時、気道内圧が高くなりすぎ、肺損傷を起こす可能性があります。注意深く観察してればいい? そのとおりです。
 
 
これに対して、もう一つの設定が
従圧式換気: Pressure Control Ventirlation; PCです。
呼吸器が送る空気の圧を設定し、吸気時にその圧で肺をふくらませる方法です。
この設定の最大のデメリットは、呼吸量の保証がないことです。挿管チューブが痰つまりを起こして空気抵抗が大きくなったら、その分想定より少ない空気しか送られないことになります。
 
なんでそんな不安定な設定があるのか?
それは、設定した気道内圧以上には高くならないため、重症化した肺にとても優しいのです。そしてこれが最大のメリットです。
 
 
重症な患者を扱う集中治療の医者はこっちを好みます。肺に優しい麻酔科医もこっちかな。
私はイキってる医者なので、いつもPCです。